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「よくあんな髪型で社会人できるよね」って言われた

初めまして、気緩み物語と申します。
先日、会社の通路を歩いていて、違う部署の面識のない二人にすれ違いました。少し歩いた後、二人との距離10mがくらいができたところで、その内の一人がボソッとつぶやいたのが聞こえたのです。

「よくあんな髪型で社会人できるよね…」

…思わず振り返ってしまいました。つぶやきを聞いたもう片方は返答に窮したのか、「ハハハ…」と苦笑いをしています。通路で歩いている人はその二人と私以外誰もいないため、おそらくすれ違いざまに私をみてそう言ったのだと思います。

私は28歳の坊主頭です

ちょうどそのときは前日に床屋にいっており、私の髪はすべて3mmの長さに切り揃えられていました。髪を切った後の数日は、髪が整えられることで自分の容姿に対していつもより若干自信を持てると思います。ですが、そんな自信は翌日のこのつぶやきにより無残にもぶっ潰されてしまいました。それだけにとどまらず、坊主でいることに対して疑問に思うまでに至りましたので、ここで「私はなぜ坊主にしているのか」を改めて整理していきたいと思います。

自分の写真を見て初めて「美しい」と思った

私はこの記事のサムネイルのような顔をしています。サムネイルで身バレしないか怖いくらいです。なので、どう見ても、どう考えてもイケメンではないですし、何なら毛深いし、身長は平均以下だし、おまけに手汗と脇汗がひどくて多分ワキガだし。もう外面においては生きるのが辛くなってくるくらいです。ですが、こんな私でも唯一私が私の外面で「美しい」と思えるパーツがあります。それが頭の形です。

2年ほど前でしょうか。お盆に実家に帰って離れの倉庫の整理を手伝っていたら、私が中学生だった時の柔道をしている写真が何枚か出てきました。その中に一枚だけ、一際大きくプリントされていて額縁にも入れられている写真があり、試合前で相手を見ているような私を横から撮っている構図でした。それを見て私は、恥ずかしいとか、懐かしいとかを思う前に、

「何なんこの頭の形、美しいなあ、正岡子規やん」

と思っていました。そして驚きました。私が私のことを一部分でも美しいと思ったことに。それからすぐ床屋に行って坊主にしてもらいました。

だから私が坊主にするのは、女性でいうところの美脚だからミニスカートやホットパンツを着る、デコルテがきれいだから胸元がばっくり空いたドレスを着る、みたいなイメージに近いです。美しいものは無駄な加工はせず、刺身のように素材そのものを楽しむ。私も私が美しいと感じた頭の形を、坊主という極力手を加えない調理法で楽しんでいるのです。

早い、安い、上手い

5000円のpanasonicのバリカンを使えば、誰が切っても同じクオリティになるヘアースタイル…それが坊主です。床屋によって出来の良し悪しに違いはありません。切っている途中で聞かれることはもみあげの形くらいで、こだわりはないので「普通で…」って言っておけばそれで終わりです。あとバリカンで頭全体をなでるだけで終わるのですぐに仕上がります。「安い」でいうと床屋によっては坊主割引があり、私の行きつけの床屋は普通のヘアカットよりも500円安いです。

ただ、最終的なクオリティは変わらないのですが、切り方の良し悪しはあります。人によってはバリカンの当て方が強い人がいて、ひどいときには半泣きになりながら散髪されることになります。頭に受ける痛みは涙腺に近いからか妙に泣けるんですよね。坊主にするときは最初に当てた強さと同じ強さですべて刈り終えること。つむじを刈っているときに「切りにくいなあ」と思って途中で強く当ててしまうと、そこだけ短く切ってしまい、全体をもう一度強く当てて切らなければなりません(私の父親がそうでした)。すべてをソフトタッチで終える床屋さんが上手い床屋さんだと思っています。

っていうか2年間社会人生活できてるんですけど

私は営業や表舞台に立つような、世間一般に好印象を持たれなければいけない仕事はしていません。どちらかというと、仕事柄ヘルメットを被ることが多く、頭が髪で蒸れたり、ヘルメットを外した後髪型が変わることないと考えると、今の仕事に坊主は最適のヘアースタイルといってもいいかもしれません。職場では若くて坊主でいることが珍しいからか、私のことを「二等兵」や「特攻隊」等と呼んでいじってくれます。これは私としてはポジティブに捉えていて、何の特徴もない私が、坊主にしたことで一つ話しかけられやすくなる取っ掛かりみたいなものができたのかなと思っています。まあ、本当にTPOにそぐわないかなと思ったら、帽子を被ればよいですからね。

最後に

「私がなぜ坊主にするのか」を私の価値観や坊主のメリット等を述べて自分なりに整理することができました。これでまた通りすがりに「よくあんな髪型で社会人できるよね」と言われても気持ちが揺らぐことはありませんし、もし面と向かって言われても1400字くらいで言い返すことができます。最後に、私が振り返って二人の後頭部を見ると、少し薄くなっていました。これだけは言わせてください。ハゲに言われたくねーよいつでも坊主にしていいからね!」

余談

私が自分の頭の形を気に入っていることを親に話したら、親も将来の頭の形を気にしていたらしく、赤ちゃんでまだ頭蓋骨が柔らかいときに、あおむけに寝て後頭部がへこまないように、うつ伏せで寝かせていたらしいです。これは親に感謝です。うつ伏せ寝が本当に効果があるのかわかりませんが、こうやって息子の一つの自信につながるのであれば、私も赤ちゃんを育てる機会があれば意識してみようと思います。

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