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早稲田ロー2025再現答案&答案分析


はじめまして😌木雪(きゆき)です。
この記事では、2025年度入学早稲田ロー一般入試の自分の再現答案と、その振り返り(感想?)を載せたいと思います


・なんで急にnote書いてんの??

 一つは、シンプルに書いてみたいからです笑。僕noteって最近知ったんですけどこんなのあるんですね。色んな人が思ったこと書いたり、それこそ再現答案あげたりしていて、「これ俺もやりたい!!」ってなって着手してます笑。あと、ロー入試はどの試験も、終わってから思うことが多かれ少なかれあったので、この機に復習がてら考えていたことを纏めてしまうことで、自分の中の早稲ロー入試を真に完結させようと思ったのもあります。一種の身辺整理ですね。
 あとは、今後ロー入試を受ける人たちの力になりたいからです。自分がロー浪人した身でもありますし、近年のロー入試難化傾向もある中で、後進たちに一定の水準を見出して安心してほしいんですね。
 僕自身、何も基準がなかった頃、過去問に対して「これ完璧に書けなきゃいけないのかなぁ」などと考えて不安になることがありました。しかし予備校で合格者の再現答案をみて、「このぐらい書けていればいけるのか」と一定の水準を見出して安心した覚えがあります。そして少なくともロー入試段階では、合格者の答案も意外と「あこんなもんか」って感じなんです(失礼)。勿論中には化け物みたいにできる人もいますけどね。なので一つの具体的な答案例として、何かしら参考になったらなと思います!

・諸注意

再現答案全般に言えることですが、以下に挙げるのはあくまで僕の答案を“再現”したものであって、模範解答ではありません。書いている内容が間違っていることがありますし(てか全然試験後に「あっ。」ってなってる)、僕よりよく書けている人も大勢いることでしょう。それは雑感に書いてあることについても同様です。あるのはあくまで、「この答案で早稲ローに合格できた」という事実のみですので、一つの参考として見ていただけたらと思います。ご了承ください。
【雑感】では、僕が思ったことを本当にそのままつらつらと書いています。これは僕自身の儀式としての側面も有するので、たぶん読者からしたらどうでもいいことも書いてます。適宜読み飛ばしてください笑。

・民法(再現答案)

【雑感】

 相続と新権原、最初見たときびっくりしました笑。これ、個人的に手持ちの民法の論証の中では一番長いやつで、いつも「こんなんほんとに出るのかよ💢」と思いながらブツブツ唱えていたんですけど、まさかの出ましたね笑 やっててよかったです。

 物権的請求権の要件立てについて、建収なら要件事実的には③丙建物が甲土地上に存在していること、も入れなきゃいけなかったんですけど、要件として入れずに当てはめで触れる形になってますね。ちゃんと立てる方が望ましいかな。
 順番に関しては、物権的請求権って所有権のところで反論が生じることが多いので、そういう時に①を占有、②を所有に組み替えていたんですけど、染みついちゃって今回も占有から立てちゃいました笑 本問では別に所有権からやってよかったんですけどね

 あと相続と新権原の論証。論証の使い方と、論証自体の中身それぞれにひっかかる点がありますね。
 まず論証の使い方について、素朴な疑問なんですが、あれあの流れでいったら、所有の意思も普通に187条1項で推定されんじゃないの??って自分で読んで思います。この場合所有の意思って187条1項による推定受けないんですかね??まあ受けないからあの論点があるんでしょうけど、「相続による自主占有への転換」と、「187条1項による自主占有の推定」の関係をもう少し知る必要がありそうです。最初に推定は受けない旨明記した方がいいのかな?わかる人いたら教えてください。
 論証の中身について、この論証、ほんとは①そもそも被相続人の占有が相続人に承継されるか②されるとして、相続人は自己固有の占有だけを切り離して主張できるか③できるとして、占有権原が相続だけど相続が「新たな権原」(185条)に当たるのか、っていう3つの論点が縦積みになったものだったんですけど、「相続と新権原きたぁぁぁ」としか思ってなかったので普通に殴り書きしちゃいました。 理想を言えばもう少しそれぞれを区切って書きたかったですね。
 あと要件について、僕は某塾の論証をそのまま使ってるので、「➀新たに相続財産を事実上支配する形で占有を開始したこと」と、「②その占有が外形的客観的に見て独自の所有の意思に基づくものであること」を2つ並立の要件として書いていたんですけど、これ最判平成8年11月12日よくみたら「その事実的支配が外形的客観的にみて独自の所有の意思に基づくもの」であること(②)のみでよさそうじゃない??相続財産を事実上支配する形で占有を開始したこと(➀)はむしろ②の考慮要素として書かれているようにも読めます。論証変えようかな

 あと問題①に関していうと、ほんとはCからの反論として、所有権の時効取得の前に、占有権原の抗弁として「使用借権の相続→Bという『借主の死亡』(597条3項)があるから認められない。」っていうのを一芝居咬まそうと思っていたんですが、思いのほか答案構成に時間をかけすぎてしまった&対抗要件の抗弁の前に占有権原の抗弁が来るのって反論構造としてどうなの?ってなってやめました。たぶんうまく組み込んだとしても条文上明らかすぎて反論になってないと思うので、まあ書かなくてよかったかなと思ってます。でもこうやって複数の構成が思いつくと楽しいよね。

 問題2に関しては特段苦労する点はなかったかなという印象です。債権譲渡について基本的なことを知っていれば回答できるような問題で、それを請求→反論の形に乗せて論じた感じですね。設問2の1800万円弁済したって事情がいらなくね??ってなって結論の後に付け足した形になっちゃったのはありますけど笑、あれたぶん設問1と2で468条1項と466条3項の検討順序を変えればよかったんですね。設問1のまま466条3項から考えるんじゃなくて、設問2はまず468条1項を検討→466条3項で拒めないか、って流れにすれば綺麗に拾えたかなって思います。
 時間配分としては、問題1を終えた時点で70分ほど使っていたと思います。結構時間を使ってしまった印象で、問題2も同じような分量だったらやばいなと思っていたのですが、問題2は急にボリュームが減ったので助かりました。最終的には10分弱時間が余ったのを覚えています。

・刑法(再現答案)

【雑感】

 今回受けた科目の中で一番時間が足りなかったのが刑法でした。問題見た瞬間に後半が遅すぎた構成要件の実現だとわかったので、後半は取れるなと思ったら前半で時間を使いすぎて満足に書ききれないっていう。途中答案を避けるために答案を途中でたたんで、なんとか終了8秒前とかに書き終わりました。あぶね。

 設問1、今見返すとたいしたことは書いてないのですが、謎に時間を食ってしまいましたね。たぶんうわぁ詐欺だぁ..って思ってそれだけで多少処理速度が落ちた気がします。なにやってんだ。機械相手には詐欺罪は成立しない。残高が0円でも乙の認識を基準にすれば実行行為性は認められる。そして甲はその教唆と、Aに対する詐欺の未遂。書いたことと言えばこれだけだったと思いますし、たぶんこれでよかったのではないかなと思います。
 ちなみに軽く調べた感じ、振り込め詐欺で口座に入金させる行為が1項詐欺に当たるか2項詐欺に当たるかは争いがあるっぽいですが、本問の場合だと1項詐欺のほうがやや優勢そうです。僕は、甲はAの行為によって直接現金を公布されるわけではなくて、あくまで預金債権が増えるってだけだから積極財産の増加(=財産的利益)として2項詐欺じゃないかと思って書いたんですけどね。気になる方は調べてみてください(なにかわかったら教えてください笑)。

 設問2、基本的な書くべきことはなんとか書ききれたかなという感じなのですが、やっぱり最後駆け足になっちゃいました。因果関係の錯誤は僕は今のとこちゃんと展開する派なので、三段論法崩したあの形じゃなくてちゃんと立てたかった感がありますね。あと因果関係のとこ焦って条件関係抜かしてるし。X見てると(てか法科大学院でそう教わるのかな?)結構因果関係の錯誤は書かなくていいとか、書いてもサラッとでいいっていう言説を見るんですけど、あれってどこからきているのでしょう?ちゃんと理由が分かったら僕も書きたくないんですけど。腕痛いし笑。今のところはよくわかってないので原則書くことにしてます。
 あと甲の教唆行為につき、殺人罪と死体損壊罪で抽象的事実の錯誤の話展開したかったんですけど、時間がなくてそこまで書けませんでしたねーーー悔しい。クロロホルムの当てはめにかなり時間を使っちゃったのが大きいですね。クロロホルム3要件あれ覚えてるのはいいけどいざ使おうとするとなっがいんだよな。

 そんな中一つ褒められる点を挙げるなら、設問2の因果関係の判断基準を定立する際に、設問1の実行行為性において具体的危険説を採ったこととの整合性に言及できたことですかね。実行行為性の判断基準と因果関係の判断基準が同時に出された場合、前者で具体的危険説を採りつつ後者で危険の現実仮説を採ると、同じ構成要件該当性の話なのに判断の基礎とする事情が変わってしまう、という不合理が生じることは知っていたので、設問1で具体的危険説を書いた時から設問2が遅すぎた構成要件の実現なら因果関係の判断基準は注意しなきゃな、という心の準備はしていました。まああの書き方だと結局実行行為性のところで「実行行為は法益侵害行為の社会通念に従った類型化たる構成要件該当性の問題であるから」というのを理由に具体的危険説を採っているので、「えじゃあ因果関係だって法益侵害行為の社会通念に従った類型化たる構成要件該当性の問題じゃんよ」という反論が飛んできそうなんですがね😅
それでもこの点に言及した受験者は全体で見ても少ないんじゃないかな(たぶん)と思いますし、多少なりともここは作問者と対話が出来ているような気がしてすごく興奮したのを覚えています。全体的には割と上位の答案なんじゃないかな、と思います。違ったら恥ずかしいけど。

※2024.11.27追記
実行行為で具体的危険説を採りながら因果関係で客観的に存在した全事情を斟酌することへの正当化根拠、アップデートしました。上のやつよりも、「行為者の主観面を考慮するのは故意の問題であって、客観的構成要件要素である因果関係において考慮されるべきではない」ってのを採用しようと思います。基本刑法にいうところの、「行為と結果との客観的なつながりを問題にする因果関係において、行為者の認識や認識可能性という主観的基準によって判断するのは理論的に妥当でない」も同じ意味なんじゃないかと現時点では思ってます。
これなら、一応自己矛盾を起こさず「一般人が認識可能&行為者が認識していた事情」を基礎とすることを叩けるし、「全事情を基礎としたら条件関係は肯定されるけど相当因果関係は否定されるって状況は起きず、因果関係の帰責範囲限定機能が果たされないじゃないか」って問題は、「行為の持つ危険が現実化した場合に認められる」として限定をしているからそもそも生じない。実行行為において主観面を考慮するのは、再現答案の論証にもある通り「行為者の主観面は構成要件的結果発生の現実的危険(の有無)に影響するから」で因果関係とは差別化できる。
現時点では僕の中でこれが一番有力な考え方になっています。もし実行行為性の判断基準と因果関係の判断基準が同時に出されたら、考え変わるまではこれでいこうかな。


・憲法(再現答案)

【雑感】

 個人的には解き終わった時点で一番手ごたえがあったのは憲法でした。が、なんか今見返すとそこまでめちゃくちゃできたわけでもない気がしますね笑。直前に政教分離の規範を確認していたのは大きかったと思います。というか早稲ロー入試、2日間もかけてやっているだけあって、1科目ごとの休憩時間が長いです。答案回収とかの時間を抜いても70分ぐらいは自由時間があったと思います。そうすると、ちゃんと一覧性のある論証集を持っていれば、受ける前にその科目の全範囲を軽く一周するぐらいのことはできちゃうんですよね。これ個人的にはかなり大きいと思います。どこが来ても記憶が新しい状態で戦えるってことなのでね。僕は統治は出ない読みで、人権分野の全論証と答案の型をザっとおさらいしました。コンパクトにまとまった論証集とか、それまで勉強してきた中の自分なりのエッセンスみたいなものを持っておくといいんじゃないかなと思います。早稲ローに限らず期末とか本番にも使えそうだしね。

 さて、政教分離は単発の行為が問題となっていたら目的効果基準(津地鎮祭のやつ)、施設の無償貸与や、当該宗教団体と公共団体が(長期にわたって)複雑に結び合っている場合には総合考慮基準(空知太のやつ)、と整理していたので、十数年前から宗教的性格を帯びつつ地域との結びつきを持っていた施設の建物・敷地が無償貸与されるに至った本件は、総合考慮基準だと判断しました。考慮要素は➀当該宗教的施設の性格、②当該土地が無償で当該施設の敷地としての用に供されるに至った経緯、③当該無償提供の態様、④一般人の宗教的評価、のはずだったんですが、➀当該宗教的施設の性格、を忘れて「当該無償提供が一般人に対して与える宗教的影響」で当てはめてますね。(一応「宗教的性格」というワードは使っていますし、たぶん評価もされてると思いますが、一般人からの評価に繋げる当てはめの過程として出したに過ぎないので個人的には微妙です。)目的効果基準の考慮要素と混じってました。反省。

 Xからの主張→Yからの主張→私見という流れの答案、ロー入試とかだと未だにしばしば見る印象ですが、正直あまり慣れてはいません。が、普段確かにしかしでやっているのを、確かに部分としかし部分で分解するイメージで書いていて、まあこれでいいのかなと思っています。あんま他に書けることもなかったと思うし。ただ、XとYの主張のところの、89条の文言の拾い方はあれで良いのかわかりません。てかAって普通に「団体」じゃなくね。
 いい点としては、問題文に出てきた要素は(たぶん)すべて拾えたところかなと思います。個人的には当てはめがすごく楽しいので憲法って好きで、考慮要素と問題文に与えられた事情が結びつく様はアドレナリン出まくりましたね。十分合格水準ではあるんじゃないかなと思います。

※2024.11.27追記
言ってる側から早稲田ローの試験形式が変更されて全然2日間じゃなくなりました!!!!1科目ごとの休憩時間もないって!!!!💢💢(上三法と下三法になるらしい)
とはいえ!!短時間で見返せるエッセンスはあったほうがいいとは思いますよ!理解の整理としてもね!時期も早まって時間も短くなって大変になると思います😖来年以降受けられる方本当にがんばって...!なんかあったら僕のとこおいでね...!


以上ここまでが上三法でした。いかがでしたでしょうか。この三法(つまり1日目)が終わった時点で、正直結構アドバンテージを取ったなと思いました。三科目通して手ごたえは十分ありましたし、何か大きなやらかしをしたわけでもなさそうだと思ったので。
2日目の下三法は、逃げ切りを意識しました。わからんところが出たら無理に攻めずに守りの答案を書く。足切りで一発即死だけ怖かったので、それだけないように注意して手堅くやったつもりです。
....つもりでした。


・刑訴法(再現答案)

【雑感】

 はい。見ての通り今回一番出来が悪かったのが刑訴法です笑。328条のさの字も出てきてません。
 謎に「これ328条の出る幕じゃなくね??馬鹿め、俺は引っかからないぞ」と思ったら普通に328条でした。手堅くいくなら328で書いとけって。
 というのも、僕は328条は自己矛盾供述の場合にのみ出てくるものだと思ってたんですね。328条が適用される場合として、自己矛盾供述に限られるという説と、限られないという説の対立があることをそもそも知らず、当然に同条は「法廷で証言をした証人が、法廷外でそれと相反する内容の供述をしたときに、そのことをもって法廷での証言の証明力を減殺することを認める趣旨のもの」だと思っていました。なので当たり前のように328条は適用せず、シンプルに伝聞証拠該当性→伝聞例外の形で検討し始めたんですね。別にそう思っててもこんだけ328条臭がしたら一応328条の趣旨だけでも書いておけばよかったのに、と思いますし、そもそも本をただせば知識の浅さが招いた事態だと思います。

 というか、これ今思うと(1)も別に非伝聞じゃないですか??Bが「身長は170センチメートルほどであった」という証言をしたこと自体をもってAの証言の証明力って減殺できますよね?完全に血迷っていたと思います。。。😅 さらに、328条について上のような認識をしていたとしても、(2)に関しては完全に同条の出る幕ですよね。てんぱりすぎです。この試験の時、なんか謎に328条がひっかけだと思っちゃってたんですよね笑 「328だけは書いたら終わる!」ぐらいの勢いで避けていました。もう少しがんばりましょう。

 結局正解筋としては(1)328条が自己矛盾供述の場合に限られるのか否かを論点展開→同条の趣旨書いて自己矛盾供述に限られる→320条の解釈して非伝聞だから証拠能力肯定(2)328条によって原則証拠能力肯定→平成18年最判の規範出して署名・押印がない(刑訴法が定める要件を満たしていない)から証拠能力否定、ってことだったんですかね?
 でも328条ってもとより非伝聞である弾劾証拠に証拠能力があることの注意規定なんだから、320条を通らずにいきなり328に飛びつくのなんか変な気もするんだよな。条文としてあるんだからいいのか?わかる方教えてくださいm(_ _)m

 伝聞証拠の論証をきっちり書いて当てはめたのと、設問(2)の非伝聞っていう点、署名押印がないことから証拠能力が否定される点は合っていたので最低限足切りだけはかからずにいられるかなぁ(願望)と思っていたのですが、もし落ちたとしたら刑訴単体による足切りだろうなと思っていました。しっかり学びます。

・民訴法(再現答案)

【雑感】

 なんか民訴は一番印象が薄かった科目でした(回答の内容は覚えてますけどね笑)。刑訴がやばすぎたからでしょうか。
 設問1、問題文を読み進めれば進めるほど書くことが増えていっていやな気持ちでした。民訴に関しては、過去問の合格者の答案が既判力や弁論主義等につき定義を明記するという形式をとっていたので、僕もそれに倣いました。まず既判力の定義を書いた後、脳死で範囲の話を展開していますが、これ時的範囲は今回別にいらなかったような気がします。問題文で聞かれていることが多かったので、とにかく問いに答えることを意識しました。前訴と後訴の訴訟物が何なのか、前訴が勝訴の場合はどうなるのか、既判力が作用するとどうなるのか、これらを明記しつつ、基本通り範囲→作用の順序で書いたものが設問1の答案です。なんかそんなにいうことないかも。

 設問2は結構迷いました。たぶん結果として書いた内容は合ってるっぽい?(おそらく)ですが、正直よくわかってなかったです。きっと、XとYの主張反論構造が整理できておらず、「B→Cの贈与の事実」がどんな性質を持つのかを分析できてなかったからだと思います。以下、自分なりに勝手に分析します。
 この問題、有名判例ですが最判55年2月7日がもとになっていて、おそらくは所有権取得の来歴の問題なんだと思います。
 同判例によれば「相続による特定財産の取得を主張する者(本問でいうX)は、(1)被相続人(B)の右財産所有が争われているときは同人が生前その財産の所有権を取得した事実及び(2)自己が被相続人の死亡により同人の遺産を相続した事実の二つを主張立証すれば足り、(1)の事実が肯認される以上、その後被相続人の死亡時まで同人につき右財産の所有権喪失の原因となるような事実はなかったこと、及び被相続人の特段の処分行為により右財産が相続財産の範囲から逸出した事実もなかったことまで主張立証する責任はなく、これら後者の事実は、いずれも右相続人による財産の承継取得を争う者(Y)において抗弁としてこれを主張立証すべき」(括弧内の人名は筆者加筆)とのことなので、本問でのB→Cの贈与の事実は、Bについての「財産の所有権喪失の原因となるような事実」なんですね。だからYからの抗弁として主張立証すべき事実であって、主要事実に当たると。
 所有権に基づく移転登記請求権なので、要件事実は自己に所有権があることと、相手のもとに登記があること。でそのうち「自己(X)に所有権があること」につきYから否認されたから、今度は所有権取得の来歴として➀前主(B)の元所有と②前主からの取得原因事実(ここでは相続)を主張立証しなきゃいけない。これらは権利の発生を基礎づけるものだから主要事実。B→Cの贈与の事実が認定されると、それは➀前主の元所有の点に対する抗弁(たしかにBは元々本件土地を所有していたけど、でも後々Cに贈与したよね)としての役割を果たす。だからXから見れば権利の不発生事由であって、主要事実に当たるので、当事者からの主張なくしてこれを認定するのは弁論主義第1テーゼに反する。
ってことかな、、、?(まーーーじで自信ない‼️)これ、答案では権利の“障害”事由って書いたけど、今考えるとB→C贈与があるとそもそもXの権利が発生しないことになるわけだから、発生に関する事由っていう方が正しいのかな、そうするとそこは違ったかな。なんか一旦これで腑に落ちた気がするけど、自信はないです。誰かこっそり教えてください(何回目??)。

・商法(再現答案)

【雑感】

 早稲ローの商法は毎年出題形式が特殊です。大人しく事例問題を出してくれればいいのに、一行問題チックな設問を出してきます。今回もその例に漏れず、問題見た瞬間に、こんなの完答できる奴いるわけない、と思ったので、とにかく持ってる知識と条文を貼り付け続け、“守り”に徹しました。おそらくそれが必要、かつそれで十分だったと思っていますし、この判断でよかったんじゃないかと思います。

 自己株取得について持っていた基本的知識としては、自己株取得は社員にとっては実質的退社にほかならないところ、ⅰ会社債権者にとっては引き当てとなる会社財産が減少することⅱ株主間では実質的退社たる自己株取得の対象となった株主とならなかった株主との間で株主平等原則違反の問題を生じうること。そしてⅰの弊害の対策として財源規制、ⅱの対策として手続規制が敷かれていること、でした。会社法の学修的にはこれらの知識は重要かなと思ったので、これらについては知ってるよアピールをしました(ⅲ役員が自己の支配的地位の維持・確保のために使いかねないとかⅳ不法な株価操作・投機的行為に使われかねないとかは、確か金商法とか別の法律で対策されていた気がするので出すのやめました)。あとは、ひたすら自己株取得周辺の条文をペラペラ。こまめに条文を引いて、任務懈怠責任とか知ってる知識でダメ押ししました。確か方法①の話を終えた時点で50分経過していて(ヤバい)、方法②については駆け足で殴り書きしました。

 時間配分はさておき書いたことはだいたいみんなこんな感じじゃないかと思いますし、分かれ目といえば自己株取得の条文群を引けたかどうかぐらいで、一番差がつきにくかったんじゃないかと思います。てか正直一行問題、苦手なのでやめてほしいです。大人しく利益相反だしてくれ。

おわりに

以上が僕の2025年度早稲ロー一般入試の再現答案です。いかがでしたでしょうか。
結果としては、【合格】でした🌸 
免除なしの普通合格ですね。ただ早稲ローは入学時の学費免除は基本内進生にしか出さないので、この免除なしが入試成績の立ち位置を如実に表しているものかは分からないと思っています。

全体としてはやはり条文はこまめに指摘するように意識しました。絶対に条文を離れた空中戦にならないように。あとは問いに答えることも意識しました。問題文で聞かれたことをなるべくオウム返しで終えるように考えてたのを覚えています。

上三法は割と出来が良かったんじゃないかと思う反面、下三法はもうちょい頑張らないとって感じです。これでも論証は6科目全て覚えているし、基礎知識もあるつもりなんですけどね、両訴(特に刑訴)みたいな事態が起きるっていうことは知識の使い方がまだなってないんだと思います。まだまだ伸び代がありますね。4月までに論文の書く練習も予備の短答も回したいな🥰。

 あと質問箱を開けておくので、答案への改善点やアドバイス等頂けたら幸いです。(質問も僕に答えられる範囲で答えます。)このnoteが来年にでもどこかのロー入試受験生にみつかって、多少なりとも参考になれば幸いです。読んでくださりありがとうございました!

木雪

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