NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむの正味財産の部(2020/3月期)
はじめに
2019年3月期に引き続き、2020年3月期(2019年度)のしんぐるまざあず・ふぉーらむの正味財産の部の解析と解説です。
NPO法人の正味財産の解説記事はこちら。
2024年9月現在で解析を困難にしている2024年3月期までを、何回かに分けて自分の覚え書きとしても記録しつつ、追って再度解析しております。2020年3月期は2019年3月期に比べると若干複雑化かつ疑問点も出てきます。とはいえ次の2021年3月期以降よりはまだマシな部類です。
下記にしんぐるまざあず・ふぉーらむの基礎資料となる期連続報告書と公開資料があり、その中から適宜抽出引用しております。
2020年3月期
この期は前回の2019年3月期(https://note.com/kiyu25_1/n/n451743b42a8e)の残高がスタートとなります。
当方で作成した正味財産の部と、公開されている2019年3月期の貸借対照表、活動計算書からの正味財産の計算、そして2020年3月期の使途等制約寄付金の内訳との関連性を①~⑫の番号にて示しました。
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前回までのNPO正味財産の解説と2019年3月期の同法人の正味財産の増減部分にありましたが、⑤の1,000,000円は当期に寄付金入金があったことを示します(これは活動計算書には現れない)。また⑥の△3,916,527円は受取寄付金振替額への振替額を示すはずなのですが、この2020年3月期において⑥は活動計算書には現れておらず、もともと指定正味財産であった⑩の入学お祝い事業の減少のみ、活動計算書の受取寄付金振替額に現れています。
これが2020年3月期の不可解なところですが、翌2021年3月期の使途制約寄付金の内訳に合わせるように、上記正味財産の表を構築していくと、先述の1,000,000円と△3,916,527円は一般正味財産の中で、緊急支援・食料支援事業の使途制約寄付金から一般の制約なしへ振り替わっていることになります。
本来、使途等が制約された寄付金等(指定正味財産)を制約のない(一般)正味財産へ直接振り替えるためには、使途の目的となる事業が終了した、あるいは使途制限をした者による解除などの条件が必要となるところ、その条件が不明です。