NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむの正味財産の部(2019/3月期)

はじめに

前回は、NPO法人の正味財産について軽く解説しました。

 これを足掛かりに、2024年9月現在で解析を困難にしている2024年3月期までを、何回かに分けて自分の覚え書きとしても記録しつつ、追って再度解析していきます。その中でも5期連のスタートである2019年3月期と2020年3月期は比較的簡単?ですから、手始めとして順当に2019年3月期から解析していきます。

下記に基礎資料となる期連続報告書と公開資料があり、その中から適宜抽出引用しております。


2019年3月期

 この期は東京都の公開期間である5期分を過ぎているので、公式サイトでの貸借対照表、活動計算書しかなく、使途等制約寄付金の内訳は不明ですが、その翌期である2020年3月期は期首の内訳が確認できるので、2019年3月期の期末残をこの内訳の期首残と合致させます。

一番単純なはずなのに既にこのボリューム

 当方で作成した正味財産の部と、公開されている2019年3月期の貸借対照表、活動計算書からの正味財産の計算、そして2020年3月期の使途等制約寄付金の内訳との関連性を①~⑪の番号にて示しました。
⑤については貸借対照表や活動計算書には金額が現れておらず連動していませんが、制約のない一般正味財産として、2019年3月期の期末一般正味財産8,005,676円から緊急支援・食料支援事業の5,225,218円を差し引くことで2,780,458円が計算されます。

 前回の解説に当てはめると、2019年3月末の体力は2,780,458円で、特殊スキルは2種類5,225,218円+59,157,453円=64,382,671円と言ったところでしょうか。
なお特殊スキルを使うと、理屈としてはほぼ同等の活動費が計上されますから、損益としては0円です。よって実体力は2,780,458円です。

この他の点であれ?と思った方は居ませんか?

 正味財産の部の表示において、一般正味財産と指定正味財産の二つの区分、一般は制約なしで指定は制約ありだったはずです。なのに一般正味財産に「緊急支援・食料支援事業」の使途制約分が含まれているのです。
 しかし貸借対照表と活動計算書、そして注記表の使途等制約寄付金の内訳を突合していくと、ここに限らずこういったズレがあるのが現実です。
 ですので、これが正当かどうかよりも実際を重視して、一般正味財産にも使途等制約寄付金を設けています。
(これがさらに混迷を極める原因にもなるのですが)

正直これで理解できる人が居るかどうか不安ですが今回はここまで。

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