私のポジションペーパー

前回書いた記事で、WACATE 2023冬 で Most Accelerating Paper 賞の受賞についてお知らせしました。

受賞したからというわけでもないですが、せっかく書いたものなのでポジションペーパーを公開しておこうと思います。

ポジションペーパーは基本的にフォーマットが自由で、しかも賞が貰えたりするということで、凝った感じにできればよいのかな~と思ってしまいます。

ですが、なにぶん僕は WACATE への参加が初めてだったで、どんな感じでポジションペーパーを書けばよいのか、気合の入れ具合とか、なにが書かれていれば良いかとかの感覚がないため、書くにあたってその辺り悩んでしまいました。

実行委員のポジションペーパーは公開されるのですが、「とはいえ実行委員のものでしょ……?」とか思ってしまって、自分は参考にできませんでした。実際の参加者がどんなことを書いているのか、というのがやっぱり気になりますよね。

自分の一般参加ポジペが、次回以降の初参加者の助けになればと思います。

誤字の修正ほか、ちょっとだけ直させてもらいました

書き方

ポジションペーパーは「自己紹介に使う + 参加表明」なので、自己紹介のほかには主に参加理由を書いたりするのがよいと思われます。自己紹介は皆さんそんなに苦労せずに書けそうですが、参加理由の言語化は人によっては苦労するかと思います。

気になったから、楽しそうだから、勉強したかったら、のような「なんとなく」な理由だったりするのが実際かなと思いますが、とはいえそれだけを書くわけにいかないので、もう少し肉付けというか、深掘りできたら良いですよね。

自分が書いた内容は「WACATEに参加した理由」では全然なく、普段から悩んでいることを今回の参加にこじつけるようにして書きました。「WACATE はワークショップだからよい機会」みたいなこと書いてますが、ぜんぜんそんなこと思ってません! 座学だけのセミナーだったとしても自分は参加してたと思うので。

大事なことは、実際にそう考えていたかどうかではなく、そう見えるかどうかだと思います。

「そう見えるかどうか」というのは、何かしら繋がりがあるのを見つける必要がある、ということです。実際に考えていないことなのだから何でもよい、ということではありません。

つまり自分がいま悩んでいることと、相手が提供してくれるもの(あるいは自分が期待するもの)の間に関係性の線を結ぶ作業です。

2つの要素の関係性が一番強く見えたものをテーマに据えた。

それは、本当にたまたま偶然の関係でしかないものを、あたかもそれが運命で自分はそれを求めて参加したのだ! という解釈をしなおすようなものです。

恋とかもそうですが、たまたまの出会いでしかないものを「これは運命では?」と思いこむことで気持ちが燃え上がったりします。そういう風に、偶然を必然であると解釈することで、やる気に繋げられたり、力の入れどころがわかって散漫とせずに済みます。


あともう少しだけ入れた工夫について書くと、自分の考えや気持ち一点突破で書くのも勢いだけになってしまうので、さらに外側の概念を参照しています。ポジペでいう Symbol Grounding 記号接地についての箇所ですね。

わたし勉強してますよアピール感もありますが(それはそれで大事ですが)、自分と書いているものとの二者間の関係だけでなく、第三の要素を外から持ってきて説明できると、コンセプトが立体的になって良いです。

余談ですが、ビジネス書とかで、自分の経験を根拠なくばーっと書いているだけの本ってザラにありますよね。ああいうのを自分は信用できなくて。書籍たるもの、引用なりで文脈や歴史の参照を示していただきたいところではあります。

とはいえ、ポジションペーパーのような文章であればそこまで考えなくてよいと思いますので、あくまでより工夫するならどうしたらいいか、で参考にしてもらえると幸いです。

反省文

他の方の書いたポジションペーパーを読みながら反省点もいくつか見つけました。僕の場合、なにより書体になんの変化も付けていないことですね……。

硬派なのが好きなのは間違いないですし、絵作りの素養は自分にないので、できる工夫も限られてはいますが、見出しを付けるとか、大事なところをボールドにするなど、最低限度読みやすくする工夫をすればよかったです。

他の方は、大事な箇所でフォントサイズ上げて、ボールドにして、アンダーライン引いて、とがっつり強調したりしていました。特にそれが強めのパンチラインに当てられていると、読んでいてグッとくるなと思いました。

加えて、ちゃんと自分の経験を書けている人も強いなと思いました。単に「こういうことがやりたい」ではなく、「こういう経験をした、こういう達成があった、その上でこれがやりたい!」とまで書いてあると、とても深みが出るなと思いました。


おまけ

実のところ、ポジションペーパーを公開されているかたは何人かいらっしゃるんですよね。

「WACATE ポジションペーパー」で検索したことはあったのですが、WACATE の公式サイトが上位を占めていたため、参加者が公開されているポジペにまで辿り着くに至れませんでした。

ですが、よくよく調べてみればBPP賞を受賞された方のポジションペーパーも見つけることが出来たんですよね。提出までに知りたかったです。他の方はこちらを参考にしてみると受賞に近づくかもしれません。

といいつつも、中身がなければBPP賞なんかはとうてい受賞できないかなと思いますので、真似してなんとかなるというものでもないと思いまします。やはり普段の思考や経験がものをいいますので、自分もBPP賞取れるように日々がんばっていきたいです。


……余談なんですが、実行委員のポジションペーパーは選考対象外なんですよね。実は自分は次々回以降で実行委員としてお手伝いするのぜひやれたらと思っていたのですが、そうなるとBPP賞を狙えないので、少し困りました。

次回の時点ではまだ実行委員会参加の資格がなく、一般参加するしかないのですが、もうそこで狙うしかないのかしら。1回のチャンスを逃さず取り切ったらカッコいいですけど。そんな上手くいくとは思えんなあ。

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