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最近気になるビールの広告のはなし

お久しぶりです。2021年初投稿です。
またこれからぼちぼち続けていければと思います。

そんな2021年1本目は、「最近気になるビールの広告について考える」というゆるい感じで。

キリンビール「よろこびがあふれ出す 娘のグラス」

まず、こちらの1分間のCMを見てみてください。

じんと来ますよね。あったかい気持ちになります。
小さな恋のうたも合っていて最高です。

自分はTVでは見れませんでしたが、昨年末にTVで流れていたみたいですね。
コロナ禍で娘が年末年始に実家に帰省できないという今が背景にあるのかなと思います。

ときどきビールは、手紙になる。
よろこびがあふれ出す。それがビール。

CMの最後に出る言葉です。

ビールというお酒の価値について改めて考えさせられました。
ビールって、人の気持ちが絡む、情緒のあるお酒だなと。
ウイスキー/ハイボールや、缶チューハイ、焼酎や日本酒とも全然違う普遍的な価値がビールにはある。

少し話は変わりますが、ビール市場ってずっと厳しくて。

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【出典】キリンホールディングス株式会社 2019年版データブック

低価格な新ジャンルの台頭や、缶ハイボール、缶チューハイの成長の背景としてある嗜好の変化も影響して、ビール市場ってずっとダウントレンドなんです。
「とりあえず生!」がもはや過去のものになりつつある。

1ビール好きとしても悲しいですし、1広告代理店でマーケティングに携わる者としても思うことはあります。何とかしたい。ビールが一番うまいもん。

この苦しい状況を打破するには、
「色んなお酒がある中でビールを飲むことの理由」を改めて気づかせ、共感してもらうことだと思うんです。結局。ただ味がどうとかではなく。

ビールの価値ってなんだと思いますか?
爽快感?キレ?ご飯に合うこと?
どれも正しいとは思います。でもちょっと話が小さいかも。

みんなで何か成し遂げたあとに、みんなで乾杯する『ビール』。
久しぶりに再会した友人と話を交わしながら飲む『ビール』。
20歳になって初めて親と一緒に飲む『ビール』。

この『ビール』を他のお酒に置き換えて考えてみてください。
ちょっと感じ方が変わってくると思います。

ビールってそういう人の感情との結びつきが強いお酒、情緒が介在するお酒だなと改めて思います。
この価値が一番太くて、他のお酒にはなかなかない。

ここまで読んでいただいてもう一度先ほどのCMを見てくれると嬉しいです。
ビールいいなあってなりませんか。笑

ビールというお酒の存在について改めて考えさせてくれた素敵なCMでした。


サッポロビール 2021年企業CM

2021年年初に流れたこの企業広告。
(これも僕はTVでは見れてません笑 箱根駅伝とかで流れてたのかな)

先ほどのキリンのCMとは少しテイストが違い、ビールメーカーとしての企業姿勢に焦点を当てたCMです。

冒頭の「乾杯をもっとおいしく。」はサッポロビールの企業姿勢・企業メッセージです。

2020年は人の時間の使い方・過ごし方が大きく変化した時代。
そんな変化の中で、人とビールの関わりを捉えなおす必要がある。


サッポロビールは変わりゆく時代の中で、もっとおいしいビールを届ける、ビールのある素敵な時間を届けることに取り組み続けます。
というのがこのCMで伝えたいことかと思います。
(ちょっと内容が読みづらいCMな感じもしますが)

サッポロビールって主要ブランドとして、黒ラベルやヱビスビール、赤提灯のいい感じの居酒屋にある赤星がありますが、どんなイメージがありますか?

なかなか難しいですが、自分は、
「ビール好きが好むちょっと通な感じのあるビール」
「飲んでいて(ファンであることで)、自分も芯のある生き方をしている素敵な大人になれるようなビール」

のイメージです。ちょっとわかりませんか?

自分がサッポロビールにそんなイメージを持っているのは、
黒ラベルが継続して行っている「大人エレベーター」のCMの影響が大きいです。

この大人エレベーターのCMって、他ブランドのCMとまた少し違っていて。

妻夫木聡さんと、ゲストが対談している場面がほとんどなんです。
ビールを飲んでいるシーンは少し挟むぐらい。
すごいですよね。ビールのCMなのに。情熱大陸のワンシーンかよみたいな。

大人エレベーターの狙いはおそらくそこにあって、
芯のある生き方をしている素敵な大人、今を生きる大人の思いに焦点を当てている。
これを見た人が、「ああこんな生き方いいなあ」「自分もこんな大人になりたいなあ」と思う。
黒ラベルのファンであることが、丸くない芯のある生き方や大人像に共感していますという意思表示になる。
黒ラベルというブランドと生活者の絆作りをしている訳です。

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広告出稿量の多くない、ある意味で派手さの無いメーカーですが、
企業姿勢・ブランドメッセージ・ブランド活動
に一本の筋が通っていて素敵なブランドだなと思っています。

TVCMで伝えている「丸くなるな、星になれ。」を企業として体現し続けている。

変わりゆく時代の中で、「乾杯をもっとおいしく。」することに取り組み続ける。それは決して進化をしないことではなく、常に進化をし続けるということ。
そんなサッポロビールの企業姿勢に改めてキュンときた、企業CMでした。


長文になっちゃいましたが、読んでいただいた方ありがとうございました。
ああビールが飲みたい。



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