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みんないなくなった
友人が死んだ
訃報は意外なところから飛び込んできた
彼の現在の友人を名乗る方がSNSでぼくを見つけ、ダイレクトメッセージで連絡をしてきてくれた
とても仲が良かった彼とはもう5年以上会っていなかった
昔の友人たちで連絡を取れる人がいないと、メッセージをいただいた
正直、心臓は波打ち頭の中が真っ白になった
仕事中に、何度もそのダイレクトメッセージを読み直した
彼は友人の中でもとりわけ明るくて元気で、死から最も遠くにいるような存在だった
会っていなかったけれど、最近結婚をしたと風の便りに聞いていたし、どこかで変わらず元気にやっているだろうと安心していた
ぼくが10代の頃に彼とは職場で出会った
年上だった彼はぼくのことを本当に弟のように可愛がってくれた
一緒にバカをやって、ぼくがくだらないいざこざに巻き込まれた時も、悩んで落ち込んでいる時も、何か新しい挑戦を決断した時も、彼はいつも明るく励ましてくれた
貧乏学生だったぼくに、松屋のご飯をご馳走してくれた
今でも深夜に食べていたあの松屋のカルビ焼肉定食を超えるご馳走には出会えていない
若き日、青春時代
僕らはよく3人で過ごした
もう1人の友人もぼくよりも少しだけ年上で、3人はさながら三兄弟のように遊び同じ職場で働き、同じ時間を過ごした
そのもう1人の次男坊の友人は、急性心臓発作で若くして亡くなった
長男とぼくは2人で福岡まで墓参りに行った
明日はバイク屋に塗装をしに行くんだと枕元にヘルメットをおいてウキウキしながら眠りについたという彼は、朝起きるともう冷たくなっていたそうだ
急死した息子に涙をして、東京から来た僕らに感謝の意を伝えながらお母様が遺骨の入った骨箱にぼくらが働いていたお店のユニフォームをかけて「東京から会いに来てくれたよ」って話しかけた時、ぼくと彼は耐え切れずわんわん泣いた
とても暑い夏の日で、博多に足を運ぶたびにあの日のことを思い出す
そのもう1人の彼も、死んでしまった
みんな若くしてこの世を去った
あの日バイクで福生の米軍基地のそばまで「ここが本場だぜ」なんて笑ってハンバーガーを食べに行ったり、フジロックで全身びしゃびしゃになるまで水をかけあって声が枯れるまで騒いだ仲良し3兄弟、残ったのはぼくだけになってしまった
にわかに、信じられない
人生は何が起こるかわからない
環境も人の心も、いつどうやって変化するかは誰にもわからない
仕事で通夜にも葬儀にも行けなかった
ぼくは何をしているんだ
その夜ふとそう頭をよぎった
一体誰のために働き、何のために生きているんだろうか
時々わからなくなる時がある
でも
彼らのためにも生きないといけない
もう誰も残っていない
もう誰も知らないぼくらのエピソードを胸に生き抜いていかないといけない
このnoteは2人の兄に捧ぐぼくの決意表明
みんな何かを抱えて苦しみと共に生きている
自分だけじゃないよね
考えている場合じゃないよね
明日も元気に頑張ろうぜ
それが1番の弔いだよね
俺は死なねぇぞ