カリスマの正体
かわぐちくんはカブトムシの居場所をよく知っていた
夏になると早朝4時、まだ夜も明けない真っ暗な時間にみんなで集合して「くじら森」へと自転車で向かった
くじら森というのはぼくの地元の小学生ならみんな知っている広大な面積を誇る森で、遠くから見ると鯨のような形に見えることから名付けられたその森の愛称だったのだが、本当の名前は誰も知らなかった
とにかく小学生の頃は毎朝早起きをしてくじら森に向かって、その広大な森の中をかわぐちくんの言う通りに懐中電灯を頼りに突き進んだ
彼の言う通りに向かった先には沢山のカブトムシがいた
不思議と彼と一緒に探検をすると、沢山の宝物を見つけることができた
かわぐちくんはクラスの人気者だった
でも不思議だったのは、彼は飛び抜けて勉強ができるわけでも運動ができるわけでもなかった
ハンサムだったけれど、彼よりもハンサムな男子はいたし、リーダーシップをもってクラスを引っ張る、いわゆる生徒会長タイプでもなかった
彼は女子たちにすごくモテた
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