ネコゴコロとヒトゴコロ その3
形がまるで猫だと話題になった縄文時代の土製品が発掘されたのが2000(平成12)年。最近、その猫型土器に「じょもにゃん」という愛称がついてまた話題になりました。
猫がいつ頃から人間と一緒に暮らすようになったかについては諸説あるようですが、私たちの暮らしに入り込んできたのは犬よりは遅いようです。
個人的な見解ですが、それは「犬」と「猫」の漢字からも見てとれるような気がします。
「大」は人が両手を広げている姿。「犬」という漢字はそこにワンコが嬉しそうに飛びついている姿に見えてしまいます。人間に身も心もべったり寄り添う犬ならではの漢字、それが「犬」という漢字ではないかと。
それに比べると「猫」という漢字は、犬にはない「犭(けものへん)」がついています。人間とのつき合いが犬より浅いせいか、「苗」のようにしなやかなからだで人間に寄りそう一方で、野性味は決して忘れていません。不機嫌なときは平気で飼い主をひっかきますししね。「猫」という字はまさにそうした彼らの生態を具現化しているように思えますし、実際、猫ってそんな生き物ではありますよね。
自分の都合のいいときは人間に甘えるけれど、都合が悪いと名前を呼ばれても知らんぷり。そうした“ツンデレ”ぶりが猫の特徴であり、魅力にもなっています。
心理学でいえば『ゲイン・ロス効果』と呼ばれるもの。普段は凛としたクールビューティな女性が、ふとした瞬間にくすりとほほ笑んだり、悲し気な表情をすると、すごく印象に残りますよね。そのようなゲイン(獲得すること)とロス(喪失すること)のギャップがあればあるほど心に残る現象をそう呼びます。
猫はまさに『ゲイン・ロス効果』の名手といえるでしょう。ギャップで相手のハートを掴んでしまうのです。“ギャップ萌え”というやつです。そこがべったり一辺倒の犬との違い。
好きな人に献身的に尽くしているのになかなか振り向いてもらえないといった悩みを持つ人は、猫たちから相手を上手にコントロールする方法を学ぶ必要があるかもしれませんね。
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