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【連載(映像)】第6回 喜代多旅館の女将インタビュー#1

「観光(デザイン)とは、その土地の宝を探してみがくこと」

どれだけ時間が経っていても、忘れることができないフレーズは誰にでもあるのではないでしょうか。私(喜代多旅館スタッフ)にとって、上に書いたものがそのひとつです。

大学時代に履修していたツーリズムデザインの授業で聞いたフレーズです。まったく新しいものをつくるのではなく、その地にある原石を探し、それを光らせることが観光をデザインするということ。

当時の進級課題にも取り入れたほど、共感した考え方です。卒業後10年が経ち、観光産業のひとつである旅館のスタッフとして働いている今、このフレーズが度々頭によぎります。

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ここ最近、その原石を探しみがくための感覚を養うため、観光というものを改めて勉強し直しています。

先日読んだ本の中に、昔は特にお金を持たずに人の家に泊り歩いて、旅をしていた人がいたということが書いてありました。彼らは特に食料なども持っておらず、滞在させる側がそのあたりの世話もしていた可能性が高い、と。

これだけ聞くと滞在させる側から不満がでてきそうですが、そうはならなかったそうで、なぜかというと、無一文同然で滞在する側は、その土地に別の地方の文化をもたらしてくれた存在だったので、滞在させる側からすると尊い存在だった、ということが書いてありました。
(興味のある方は「日本の宿」著・宮本常一 /八坂書房をどうぞ)

この話を読んでインターネットが普及した今でも、人が実際に移動することで、文化や知識などをもたらす存在となるのは、変わらない部分があると感じました。

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さて、今回も前置きを書かせていただきました。ここから本題となります。

今回は映像でお送りいたします

全10回予定のこの連載も折り返し地点を過ぎ、6回目となります。そんな今回は当館女将のインタビューを映像でお送りさせていただきます。

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3代目である当代からみた昔の喜代多旅館の姿、跡継ぎとしては対象外とみられていた幼少期、リノベーション初期の頃に心にあったことなど、話していただきました。当時の写真やテロップを加えてみやすくしてみたので、ぜひご覧ください。

《喜代多旅館 × 〇〇シリーズ》#2_女将インタビュー​| Founder's Granddaughter Interview

また今回文章ではなく映像にした理由ですが、そもそも、このnoteでの連載は「記録を残す」という目的以外に、「喜代多旅館を知ってもらう」という目的もありました。人に読んでもらいたいという意図がある以上、読んでもらうための工夫は必須だと考えるため、趣向を変えて今回映像を選びました。

8回目からは不定期更新となります

こちらの連載、毎週土曜日更新の全部で10回を宣言しておりましたが、8回目からは不定期更新とさせていただきます。

なぜ不定期更新にするか

主に次の理由があります。

1.一通り書き終えたため
「2019年末のリニューアルオープンからの1年を振り返る」という目的の元に始まったこの連載企画ですが、今の私から見ると、だいたい書き終えたかなというところにきたため。

2.質の高いものを届けたいため
上にあげた通り1年の振り返りを書き終えた以降も連載を続ける場合、新たに記事の内容(ネタ)を考える必要があり、1週間という縛りの中でそれを考えて執筆するとなると、どうしても内容が薄い記事ができてしまいます。内容が薄い(価値の低い)記事を出すくらいであれば、きちんと時間をとって内容の濃い(自分が納得できる内容)記事を届けたいと考えたためです。


インタビュー撮影をして考えたこと

インタビュー撮影当日の天気は雪。こうしたイベントの際、晴れると「晴れてよかったですね」とか、今回のように雪だと「雪降っちゃいましたね」とか、晴れ以外は正解ではないかのように、私は扱ってしまうことがあります。

機材運搬などの準備においては、雪や雨は大変な部分が実際あるのですが、それでも、それぞれの天候ならではの美しさがレンズの向こうにみえます。今回は雪(みぞれ)が降っていたので、冒頭の数カットでそれが伝わるように編集をしてみました。(果たしてそれが成功しているのか)女将のインタビューと合わせてご覧いただけると光栄です。

次回、7回目は今回のインタビューの文字起こしと、スタッフ視点でそれに関連する話などを書きたいと思います。

それでは今回はこの辺で。お読みいただきありがとうございました。

インタビュー映像はこちらから。当時の旅館の前で撮影した、こんな写真も使っています。↓

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→次回へ 第7回 喜代多旅館の女将インタビュー#2








休んでかれ。