共産国化する、的はずれな防衛機密強化
これは我々ジャーナリストに対しても由々しき問題ですが、これで防衛産業から撤退する企業も増えるでしょう。
防衛装備の「秘密」漏えい、企業に刑事罰 政府、規定を拡大方針
ttps://news.yahoo.co.jp/articles/f5a5e8b91db992b566f47d41a25f9eee2cff2941
>政府は、防衛装備品の製造などに関わる企業を財政支援する一方で、装備品情報を外部に漏らした企業関係者に対する刑事罰の規定を拡大する方針を固めた。現状、民間人が刑事罰の対象になるのは特定秘密保護法に基づく「特定秘密」など特に重要な情報の漏えいに限られるが、今後は比較的重要度が低い防衛省訓令上の「秘密」の一部についても刑事罰を科せるようにする。防衛企業に情報管理の徹底を促すのが狙いで、関連法案を通常国会に提出する。
>政府は企業への財政支援と情報保全をセットで進める方針だ。だが、日本では十分な利益が確保できないなどの理由で防衛関連事業から撤退する企業が相次いでおり、情報管理の厳格化が企業側の撤退を加速させたり、新規参入を妨げたりする恐れがある。
>法律が恣意(しい)的に運用されることへの懸念もある。防衛装備品に関する情報を民間企業に提供する際、新たな法律で刑事罰が科されるのは企業側が「秘密を取り扱う人物」として申告した従業員が故意に漏えいしたケースで、「民間人に広く規制をかけることにはならない」(防衛省関係者)と政府側は主張する。
>14年に施行された特定秘密保護法が指摘されたように、秘密指定の範囲が曖昧では、民主主義の基盤である国民の「知る権利」が損なわれかねない。今回の取り組みでも規制の詳細を外部から把握するのは難しいとみられる。
そもそも公開情報すら規制、隠蔽しているのが防衛省です。
日本人は防衛の隠蔽体質の深刻さをわかってない
https://toyokeizai.net/articles/-/626775
恐らくは「秘」扱い以外もとあみをかけて規制するでしょう。我々ジャーナリストに対する締め付けも当然当局からだけではなく、メーカーや商社、OBらも話をすることをためらうことになるでしょう。
小野寺大臣当時にぼくの書いた本の正誤表が間違っている、その文書を請求したら情報公開対象ではない、という理由で拒否されました。何の機密性のない文書ですら公開しないし、海外任務の日報や隊員カルテまで破棄する組織です。悪さをしないはずがない。
予算を増やすだけ増やして、そのチェックを逃れようとする気満々です。これで民主国家、文民統制を名乗るのは詐欺みたいなもんです。
恐らく防衛産業から撤退、あるいは参入に二の足を踏む企業は増えるでしょう。
そんなことよりもクリアランス制度をきちんと導入すべきです。その点では高市早苗氏に賛成です。オーストラリアあたりの方式が参考になるかと思います。そしてメーカー、商社、OBに関してもそれを取らせて、適宜更新する。基本クリアランス制は属人です。
組織や会社にあるわけではない。だから転職してもそれを維持できます。日本の場合それを歪めそうな気がします。
クリアランス制度をきちんと確立し、公開情報は公開して、機密と区別するシステムを作ればいいだけの話です。
記者クラブ制なんてその典型例です。大会社の社員である記者には無条件で防衛省に入れるパスが支給されます。国会記者証も同じです。個人を審査することはない。その人物がどのような人間かは審査も調査もされない。「大きくて古い会社は偉い」というのが根拠となっていますが、こんなマヌケな審査でパスを出しているわけですから、諸外国からは馬鹿だと思われています。
記者クラブで問題なのは質問の事前提出です。記者が事前に質問を提出しておき、大臣が書面見ながら回答する。まるで小劇場の小芝居です。
そんなことをやるのであれば、それらは事前に文書で回答すればいい。
その小芝居のセリフをカタカタとラップトップで書き留めているのは喜劇的であります。
高い給料とっている「大きくて立派」な会社の記者がやる仕事ではないでしょう。新聞やテレビの部数、視聴率が大きく下がっているといいますが、当然です。
こんなマヌケなことをやっているのは我が国だけです。これで記者でござい、というのは他国からみれば相当間抜けだし、ジャーナリストとは思われないでしょう。そういう組織だし、自分たちは排他的に情報をもらえて餌付けされている。だから防衛省の秘密主義、隠蔽主義にも記者クラブは「寛大」です。
Japan In Depthに以下の記事を掲載しました。
失敗作、P-1哨戒機の調達は中止すべきだ ①
https://japan-indepth.jp/?p=72713
失敗作、P-1哨戒機の調達は中止すべきだ ②
https://japan-indepth.jp/?p=72743
■本日の市ケ谷の噂■
防衛省、自衛隊では看護師のみではなく、レントゲン技師、臨床工学技士なども極端に不足している。 防衛医大では、夜間や休日のレントゲン技師の当直は1名(通常大学病院では3~4 名以上)のため院内の緊急事態では1時間以上待たされる、との噂。