不当に冷遇されてきた第1空挺団

この10年以上、島嶼防衛強化といわれつつ、第1空挺団は不当に扱われてきました。

陸上自衛隊習志野演場で落下傘部隊の「降下訓練始め」 3年ぶりに一般公開
https://news.yahoo.co.jp/articles/cf3c9ed0abff3b4581d9acb17202a1c4e573daab

>陸上自衛隊習志野駐屯地(船橋市薬円台3)の演習場で1月8日、第1空挺団による「降下訓練始め」が3年ぶりに一般公開される。

>今年は、日本・アメリカ・イギリス・オーストラリア間の相互信頼の醸成と祝賀を目的とした米陸軍、英陸軍、豪陸軍による展示降下が行われるという。

>公開される訓練内容は、「指揮官等降下展示」として空挺団、米英豪陸軍による空挺降下・自由降下の展示。「地上訓練展示」としては、島しょ防衛を想定した空挺作戦及びヘリボン作戦の展示。陸上自衛隊のヘリコプターによる編隊飛行を展示する「飛行訓練展示」となる。

既に■本日の市ケ谷の噂■で事前にご案内した通り、今回の「降下訓練始め」では米英豪から空挺部隊が参加しました。これだけではなく、あれこれ運用などについてのプログラムも行われる模様です。

これは陸幕が空挺団の活用を見直し始めたサインと受け取ってもよいでしょう。
本来島嶼防衛であれば空挺団はもっと注目、活用される部隊です。オスプレイでの空挺作戦でも本来ならば水機団よりも空挺団をしようするべきでしょう。それの本職なんですから。
ところがこれまで島嶼防衛で空挺団を活用しようという話が殆ど上がって来ない。これは特殊作戦群も同じです。この2つの部隊を西南方面でどのように戦略機動させるは無視され、ひたすら水機団の拡充ばかりに資源が注ぎ込まれてきた感があります。

まずオスプレイは陸自から海自に付け替えるべきです。陸の予算にオスプレイを調達運用する余裕はない。であれば海自で取りやめとなったDDH用の輸送・救難ヘリ用に使えばいい。本来必要な装備です。国産のUH-101を買えば今なら1機80億円以上はするでしょうから、大差はありません。

そのうち3~4機はCV-22に換装して特殊作戦群や特警隊の移動用に使うべきです。現在特殊作戦群の輸送手段は第一ヘリ団のUH-60しかありません。普通の軍隊では固定翼機や大型ヘリもあります。固定翼機を兼ねて3~4機を特殊部隊用とするならばリーズナブルでしょう。運用・整備は海自で統合して行い、CV-22は第一ヘリ団においておけばいい。

その上で、陸自、空自のCH-47に空中給油装置をつけて、コクピットを一新して夜間の海上飛行を可能にするようにする。そうすれば迅速に南西地域に空挺部隊を展開できる。無論そのためには空自の輸送機のポートフォリオは見直すべきです。
ペイロードがC-17の三分の一ほどしかなく、値段は今やその1.5倍、運用コストも何倍も高いC-2の調達は止めるべきです。
その上で16機のC-130Hを近代化してすべての機体に給油装置をつけるか、あるいはC-130JとかKC390あたり、皿により小型のC-27あたりを導入すべきです。C-2を10機かう予算があればこれらを40~50機は調達できるでしょう。当然C-2の派生型は全廃すべきです。

空挺団に関して言えば装備の近代化が必要です。ヘリのドアガンなどはミニガンやM3などに変える。車輌もATVを導入すべきです。
また空挺用装甲車両も必要です。極論をいえばC-2で運ぶ16式よりも、旧式の20ミリ機関砲や60ミリ迫撃砲、90ミリ砲を搭載したエラントの方がよほど有用です。

有事にはC-2で16式を運ぶのは無理です。1両と支援部隊で2機のC-2が必要であり、そんなものを運んでいる余裕はない。現場にいない16式よりも現場にヘリで空輸できる装甲車の方が旧式でも役に立ちます。

機動戦闘車よりも骨董品のエラント装甲車の方がマシなんじゃないの?
https://kiyotani.seesaa.net/article/201312article_4.html

>エラントは4輪の軽装甲車で砲塔を有しており、90ミリ砲を搭載したエラント90と、60ミリ後装迫撃砲を装備したエラント60があります。20ミリ機関砲を搭載したエラント20も若干製造されました。
 
>重量は6トンですから、ヘリで余裕で空輸できます。ですから事実上LCACでしか運べない機動戦闘車よりも島嶼防衛では有利です。

>それからエラントは南ア陸軍で大量にモスボールしています。お値段もせいぜい2千万円程度です。軽装甲機動車よりもお安い。機動戦闘車を1輌買う予算で25輌ほど、2個中隊分調達できるでしょう。

>無論エラント旧式で、砲塔の旋回は人力ですし、夜間暗視装置も不十分です。現実的にエラントを装備することには問題があるでしょう。
 ですが、このような極端な例を挙げて比較してみると、機動戦闘車の必要性や優位性が果たして本当にあるのかということに疑問が出てくると思います。
 はじめに機動戦闘車は正しいのだ、という「結論」を前提に議論をすることは不毛です。


 とりあえず、軽装甲機動車に20ミリ機関砲の無人砲塔とか、現用の60ミリ迫撃砲を回転ターレットにのせた自走60ミリ迫撃砲ぐらいは採用すべきだと思います。
 
 また個人装備なども水機団だけ優遇ではなく、空挺部隊もあわせて近代化すべきです。



■本日の市ケ谷の噂■
銃剣道が部隊長の出世に重きをおくので、かつて北部方面隊の某戦車部隊では人事考査を気にした部隊長が隊員の四分の一を銃剣道専任にして部隊が事実上崩壊していた、との噂。


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