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第3回新美南吉絵本大賞いただきました

新美南吉さんの作品を絵本作品にして応募する新美南吉絵本大賞で、大賞をいただきました。何かで一番をいただくことが人生初なので、とても嬉しいです。

制作していた去年は、ムスメちゃんが不登校でほとんど家にいて、結構不安定で、家族も大変で、そんな中で夫が時間を作ってくれて、なんとか描きあげた作品でした。

描いた物語は、「ひとつの火」

このコンペティションの為に読んだ課題文で、はじめて出会った物語でした。

わたしが子どもだったじぶん、わたしの家は、山のふもとの小さな村にありました。

「新美南吉童話集1ごん狐」より「ひとつの火」 

という文章で始まるこのお話は、

まだ小さい「わたし」が初めて擦ったマッチの火を牛飼いの提灯につけてやったことで、あの火はどこまでいくだろうと想像を膨らます物語です。

わたしはいまでも、あのとき わたしがうしかいのちょうちんにともしてやった火が、つぎからつぎへうつされて、どこかにともっているのではないか、とおもいます。

と締め括られるこの物語の、なんとも言えない「時空を超えた何か」に魅了されて、描いてみることにしました。

絵本にするには、

絵本作りに挑戦してきましたが、誰かの文章を元に作品を作ったことはありません。文章を読んで、想像しているのと、絵にするのは、全然違いました。

だって、
物語の「わたし」って、何歳?どんな顔でどんな服装してるの?家族は?家は?どんな村??牛飼いってどんな人?
全部、具体的に決めていかなければ描けなくて。
私の場合、昔の暮らしというものに興味があるので、そこはちゃんとしたいと思ったり。。
いろんな資料を見たり調べたりしました。

決まっていくとどんどん想像が膨らんでいくんだなぁと思ったり、さらに物語の奥を考えさせられたり。。それはいい時間でした。

でも、
何度も、
間に合わない。もうだめだ。諦めたら。。

という不安や逃げの気持ちも出てきつつ(いやもうかなりギリギリだったので)、諦めるのは〆切最終日でいいやと開き直って、とにかく描きました。
こういうところ図々しい性格でよかった。

そんなこんなで〆切最終日の朝、原稿ができあがり、コピーして絵本の形に作って、応募したのでありました。

これから大仕事が、、

ありがたいことに大賞をいただけた訳ですが、実はもう一つとても嬉しいことがあります。

今回の大賞絵本は9月に刊行される予定です。
その編集を、審査員長である松田素子さんが担当して下さるのです。
私にとって松田素子さんは憧れと大尊敬の編集者さんなので、もう身が引き締まるというか、ドキドキで挙動不審になっています。

今は、応募作品をさらにブラッシュアップしてより良い絵本をお届けしようと、絶賛描き直し中です。

絵本の世界を、私の中でもっとクリアに、もっと豊かにしていく為に、調べたりスケッチしたり、がっかりしたり、ダメだと思ったり、サボったり、でも夢に見たり、またスケッチしたり、良いかも!とウキウキしたり、、を繰り返しています。

そして無事に絵本が刊行できますように、親友のくれたダルマさんが片目で私を監督してくれているので、頑張りますよ!お楽しみにしていてください。

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ほんまきよこ(Homma Kiyoko)/絵描き
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