描くことで満たされる

１人＋猫暮らしを10年近くやった後に、結婚しました（と同時に妊婦になりました）。1人暮らしの「時間」は全て私のもの。絵を描いたり、「イメージが湧いてくるのを待ってるの」なんて言ってダラダラしたりの繰り返し。寝すぎ故の夢見心地な不思議な頭でいろんな想像を創造していました。海の中をたゆたいながら深く深く潜っていく感じ。または、どんどん深く掘っていく感じ。あれは幸せな時間だった。

ところが、結婚して他人（夫）が居るとそんな訳にもいかず、いきなりツワリで寝込むし、子どもが生まれたらもっともっと「私の」時間は無くなりました。どうしたらいいのか分からなくて、隣の部屋から夫のチェンバロの優雅な音（夫は古楽器奏者）が聞こえてくる度、私だって描きたいのに！！と拳を握る日々でした。

目の前の状況にストレスいっぱいになっちゃう時、想像は「逃げ道＝救い」です。ムスメが４、５ヶ月の頃には、膝に抱いておっぱいを吸わせながら、絵本を描いていました。「大変な時に絵を描くなんてすごいね」って言われたけど逆です。描くことでどんなに満たされたか分かりません。絵本の中に少し大きくなったムスメを登場させたり、1人では思いつかなかった作品になりました。

結婚から10年。やっと最近、今の状況に慣れてきたような、気持ちの落としどころが見つかりそうな感じです。1人の時ゆっくり時間をかけて潜っていった「あの場所」へ、瞬時にワープして行けるようになりました。せわしない日常の中でも、私はとにかく描いています。

#自己紹介 ＃その２