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落語の國にある鈴本演芸場 ~色物の彩り~

昨日に引き続いて、鈴本演芸場で出逢った芸人さんのお話です。「色物さん」と呼ばれる落語の合間にある漫才や太神楽の芸人さんについてです。よく聞くのは、寄席はコース料理のようなもので一連の団体芸であると。だから演目や似たような噺が被らないように配慮されていて、盛り上がりの山と時間配分に絶妙のバランスがあるのだそうだ。そこでバランサーとスパイスの役割を果たすのが、「色物さん」たちであるとアサダ二世師匠が言ってましたw

寄席に行き初めのころは、色物タイムはホント休憩時間でした。トイレ行ったり演目しらべたりApple Watchから立ち上がれと促されたり。落語にだけ集中したかったというか、前のめりだったというか、私に受け入れられる許容がなかったんです。漫才めいたものは特に、昔から慣れ親しんでいただけに落語の國とのギャップに違和感がありました。それが何回も通うにつれて、太神楽や紙切りを筆頭に心地よくてちょっと応援してしまいたくなる感情も芽生えました。

心から喝采したセレンディップな瞬間

自然に応援というか心から拍手している自分に気づいたのが、小痴楽真打昇進披露興行でのボンボンブラザース師匠の舞台でした。その日は、トリの前に出演する「膝代り」担当で、相方の鏡味勇二郎師匠が遅れてて、鏡味繁二郎師匠と飛び入りで小痴楽師匠がサポートするという、爆笑のあとに涙が出そうになってきて、いまここにいる人たちだけのご褒美のような幸せなひとときに浸りながら、がんばれ!って応援してました。

ライブはまさに生きているんですね。この瞬間にしか出逢えない偶然とそれぞれの連綿と続く愛が交わる空間に立ち会えた瞬間です。セレンディピティってやつだと思います。そう信じてます。

Reality Bitesが香る芸ゴト

あっ!鈴本演芸場で出逢った「おしどり」さんという音曲漫才師について感じたコトを綴ろうとしていたのに、前提が長くなってしましった。。。おしどりさんは、針金アートのケンちゃんとアコーディオン奏者のマコさんの漫才コンビで、一目惚れして1週間で結婚にリアルおしどりだそうです。ちょっと与太郎っぽい(敬意を込めて)底抜けに明るそうなケンちゃん。そして、シャンソン好きなんだろうなぁって感じさせる安定感のあるマコさん。このお二人(特にマコさん)から香ってくる雰囲気が、なんとも私には甘酸っぱいんです。例えるなら青春群像映画です。スポーツとか王道じゃないヤツで、積極的な絶望とか挫折とかと、ほんの少しの幸せだけで立ち向かう青春の香りですw  リアリティ・バイツなのです。(私はスキだということを言っています)

ケンちゃんの明るさ、マコさんのアコーディオンからの旋律、妙に切なくて声の大きい歌声、安定のネタ運び、笑っていない眼、二人からの愛情。。。勝手にバックグラウンドを連想してしまいます。

もっと綴ることあるのですが、色物さんへのリスペクトとスキッ!が私にも芽生えているというセレンディップな体験です。

おしどり ガンバレ!


これから綴ってみたいコト思いついたコト忘れないうちにメモしておきますと、
・落語を主語にしたときの「色物さん」と「色物さん」を主役にしてみたときと
・紙切りレジェンド林家正楽師匠の強さ
・落語を聴いて芽生え始めた、カッコよさと美しさの概念の変貌
・噺家からみるこじれたオヤジたちへの希望と水平展開思考を考えてみる
・落語を聴いて気付く価値観の相対性
・なぜ落語がスキッ!なのかの具体化と抽象化
・例えば高齢者の噺家 これからの高齢化社会に通じるエッセンスがある


もうちょいでもうまく表現できたらいいんですけど、今日はここまでしますね。



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