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沖縄の共同売店と、北海道の商店街の話をしよう

インターローカルの学びの場

インターローカルの学びに今関心があります。それは個人同士ではなく、コミュニティー同士が学び合う機会を作ることだと考えています。
いくつかの地域を横断してはたらく中で、「この人たちとあの人たちが大切な話をしたらお互いにとってギフトになるのでは」と思う機会がしょっちゅうあるのがきっかけです。

そこで、今回初めてやってみています。今回は沖縄(うるま市ほか)と北海道(江別市)。江別の皆さんが「ホストタウン」となります。

テーマは「商店街の未来」

そもそも「商店街活性化」という言葉を聞く事も以前より少なくなってきたような今。見方によっては風前の灯とも思える「商店街」が存在する価値とはなんでしょうか。その価値をさらに育むための実践と仕組みづくりのために何ができるでしょうか。

ひいては、地域の暮らしの中に「人が集まれる場」があることの価値も、さまざまな角度から言葉にできたらいいと思っています。見ている人は、今回の語られたことを持ち帰って、自分の身近にある「場」をますます大切に育てるために何ができるのだろうか。それがない人はどうやって作っていこうかというにヒントにもなったら幸いです。

ちなみに、私個人は、もともといわゆる物理的な場づくり/拠点づくり/居場所づくりの価値については、わりと懐疑的な態度というか、あまり関心がない一人でした。しかし、この商店街と共同売店に出会ってから少し考え方が変わってきています。その辺りの話もしたいと思っています。

商店街のいま

近年の商店街を取り巻く環境は厳しく、少子化による人口減少や後継者不足による空き店舗の増加、消費スタイルの多様化や郊外型大型店、インターネット販売の競争など、様々な課題を抱えており、その状況は地域によって異なり、また時間の経過とともに変化しています。

たしかに「買い物をする」や「品揃え」という点では大型スーパーやイオンでよく、また「非接触」という点では宅配サービスやインターネットショッピングのほうがいいと思う人は、少なくないでしょう。

中小企業庁が行った平成30年度商店街実態調査では、商店街の⾜下の景況は、7割弱が厳しいと答える⼀⽅で、「繁栄している」⼜は「繁栄の兆しがある」とする回答も、わずかながら増えつつあります。

なにがそれらの違いを作っているのでしょうか。令和2年度の中⼩企業庁の検討会では、さまざまな事例を通じて、商店街の「打ち手」は、「①(商業機能)単独型」、「②(地域コミュニティ⽀援機能との)複合型」、「③転換型(いわばアウトリーチ型)」に分類できるのではないかとしています。

https://www.meti.go.jp/shingikai/sme_chiiki/jizoku_kano/pdf/002_02_01.pdf

このような資料を通じて、類型や事例を知ることは、未来の選択肢の幅を広げるために役に立つかもしれません。そして、この累計で言うと②の代表選手になりそうな商店街が今回の舞台です。

今回の舞台となる大麻銀座商店街について

それが2019年に偶然にご縁があった北海道江別市「大麻銀座商店街」のみなさんです。

そこは、はっきり言って経済的な指標では成功しているとは言いづらい場所であるにもかかわらず、地域で愛され、必要とされている商店街です。さらに、ベッドタウンにある一見なんの変哲もない商店街でありながら、多くの関係人口が来訪する場所でもあります。

彼らがしているのは、「自分たちの存在価値についての話し合い」。年度末にその機会を設け、地域住民や関係人口を招いて、一年間の総括と今後の在り方について話し合いをしています。

2021年は、私もそこに加わらせてもらい、フィールドワークとワークショップを行いました。それが「おかえり商店街」と名付けたプロジェクトです。これを通じて、この謎の商店街について3つのことが明らかになりました。

①強み
大麻銀座商店街の強みの一つは、かつてのような商業機能の便利さや効率性とは別軸の「生活支援」や「自治・共助」といわれるような活動の器として機能していること。

②実践
大麻銀座商店街が「どのように関係人口を惹きつけているのか」を実践レベルで明らかにしました。それらは、必ずしも商店街関係者が意図して行っていたものばかりではなく、「なんとなく」やっていることもあるのがわかりました。(こうしてすぐれたプラクティスを皆でより意図して行うように見える化すること、そして、それをみんなが使えるセーブデータとして残し、広めることには一定の価値があったのではないかと考えています。その成果は冊子となりましたが、その成果の一部が以下のウェブサイトにアーカイブされていますのでご覧ください。)

③危機感
大麻銀座商店街も、決して将来が安泰なわけではないという危機感。たとえば、商店街が福祉やコミュニティに役立つこと大切ではあるが、どのように経済的にも持続可能にするのか。どのように景観を保ちながら、老朽化した街灯などを修繕をするか。どのように後継者を確保するか。どうすれば未来に関する話し合いにもっと商店街関係者が参加するか(現状で、30ある店舗のうち、しっかりやりとりできているのは半数程度とのこと)。話すべきテーマは山積しています。

このような学びのワークショップを今年度も行います。昨年度のテーマは「関係人口」でしたが、今年度は「生活支援」と「プロモーション」の二本立てです。

①沖縄の共同売店と商店街の話をしよう(YouTubeによるライブ配信あり)
3/7 19:00〜21:00

共同売店とは、沖縄で100年以上前に生まれた相互扶助の役割を持ったお店のこと。商店街と同じく、「商業機能」と「生活支援」の両方の機能を持っています。そこで、沖縄で活動するゲストに共同売店について紹介してもらい、商店街の未来について考えます。

共同売店のいまとこれからについて考えることを通じて、これまでとは異なる角度から商店街のチカラに光が当たる事を企図しています。

ゲストは小林未歩さん/山田 沙紀さん(愛と希望の共同売店プロジェクト)

➡︎オンライン視聴チケット(無料)
https://peatix.com/event/3178756/view

②商店街プロモーションについて
3/12 19:00〜21:00(予定)

単なる集客を目的としたプロモーションだけでは、必ずしも「地域のよりよい選択」をサポートできません。商店街が「いま」地域で果たしている役割を正しく伝えることで、より強固なコミュニティ構築につなげられることを願い、そのためのアプローチ方法を考えます。

➡︎参加チケット(決定次第お知らせします)

以上が、2022年の「商店街の未来について考えるシリーズ」です。

最後までお読みいただきありがとうございました。それでは、オンラインや会場で会えることを楽しみにしています!

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反町 恭一郎
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