CDショップ閉店 顛末記 ~CD業界のたそがれ その1
*今回のおススメBGM:井上陽水「とまどうペリカン」
陽水史上最高の切なくも美しいメロディ。 なのに歌詞は現実を越えた空間を漂う。
勤めているCDショップが閉店することになった。
少し前から本部のヒトたちと打ち合わせをしてたけど、とうとう本決まりになったんだ。
世間でもよく言われるように、ずいぶん前からこの業界はネット通販やサブスクに押されてリアル店舗はどこも青息吐息だ。
それにコロナ禍が追い打ちをかけた。
コンサートのCD物販や、インストアイベントが激減。
うちの店の強みの一つだった演歌のお客様も目に見えて減っていった。
私がこの店に入ったのは13年ほど前で、その頃はAKBも嵐もLDH系も全盛を極め、それらのCD発売日はレジが2台フル稼働していた。
しかし。 SMAPは解散、嵐も活休、安室奈美恵の引退… 頼りにしていた柱が次つぎいなくなっていった。
それでもネットから湯水のように生まれ出る新興勢力のおかげもあり、音楽業界そのものは隆盛といえる。
そうした新しいアーティストが、あれよあれよというまに武道館やドームに客を埋める。
しかし彼らの多くはCDソフトという「フィジカル」にピントを結ばないのだ。
いったいそれらのアーティストのファンたちは何を「所有」して満足感を得ているのか。
いやいや。 言い訳めいためそめそや、評論家もどきの理屈は言ってもしゃあないな。
結果、ついに8月末で閉店が決定!
ある意味これ以上ないタイミングなので、閉店にいたる模様をリアルタイムで記録してみようか。
(その2につづく)