CDショップ閉店 顛末記 ~CD業界のたそがれ その5
*今回のおススメBGM:喜納昌吉&チャンプルーズ「すべての人の心に花を」
単に「花」というタイトルのも含めあまたのカバーバージョンがあるが、全ての源がこれだ。アルバム「BLOOD LINE」に入ってるオリジナルバージョン。 あまりにポピュラーになってしまったメロディなので、何を今さら…なんて言うんじゃない。 プリミティブ(原初)の美、ここにあり。 ライ・クーダーの間奏ギターソロにも魂泡立つ。
「負」の経験も紹介するなんて書いたけど、なんかあったっけな。
いやいや、あるでしょ。 この業界に40数年もいたなら。
閉店へのいきさつはひとまず置いて、この業界の悩みを聞いてほしい。
まずひとつめは小売業なら宿命ともいえる、盗難・万引き被害か…
来月末で閉店するこの店舗では、シアワセなことに万引きは数えるほどに少なかった。
たぶん店内レイアウトの影響が大きいのだろうと思える。
以前いた家電量販店のCD・DVD・ゲームソフトの売り場はえげつなかった。
朝入荷して棚一列にずらっと並べていたマリオのゲームソフトが、昼にはごっそり消えたことがあった。
なにぼ~っとしてたのかと言われても仕方ないが、違うんだよ。 ホントに気配も心当たりもなく、どろんとなくなっていたのだ。
防犯装置にも検知されなかったから、専用の防磁袋のようなものに放り込んで持って行ったのだろう。
まだ防犯カメラのシステムも十分完備されていなかったな。
またその前の店では高額なDVDBOX専門の万引き犯に何回も狙われた。
犯人の目星はつけていたが、最後まで現行犯でおさえることが出来なかった。
いずれも換金目的の窃盗だろう。
もちろんやられるばかりではない。
大捕物ダッシュ全速追跡のすえ捕まえることもあり、それが前回してやられた後のことだったりしたら、二人分二回分懲らしめる。
捕まえたら絶対許さない。どんなに泣いて土下座して謝っても、許さない。 警察・学校・親のどれかに通報連絡する。
捕まって謝るくらいの覚悟のなさが許せない。 万引きくらい…となめているのだ。
今の時代なら逆に、犯人やその家族から訴えられるような対応もした。
ただ、警察に通報すると後あとタイヘン。
被害届や供述調書だの被害品の返還手続きだの、手間ひまがかかって通常業務に支障が出てしまうのでできれば避けたいのだ。
数々の万引き捕物の具体的な経緯を書けば武勇伝みたいでいやらしいのでこのへんにしとこうか。
…ということで、ひとつめだけでその5が埋まってしまった。
つぎは何だ?
(その6につづく)