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ネットに漂うCDショップ ~音楽はたそがれない ⑪

*今回のおススメBGM : Al Kooper / Jolie


夕方家内と買い物に行ったスーパーの店内BGMでこの歌が流れていて、おぉっとなった。
「日常」の象徴であるようなスーパーの店内のようすと、アル・クーパーの熱烈な歌声のギャップがおかしかった。

長いあいだこの歌は作者である彼の愛娘に捧げられたものだと思っていたが、案外愛する女性への分かりやすいラブコールでもあるような。
どうだろう。 本当のことは分からない。
アルの感情豊かな歌を導く、哀愁をおびたオルガン(シンセ?)のフレーズがとてもいいな。

この曲が収録されているアルバムはタイトルを「Naked Songs」というが、発売されたとき(1972年)の邦題は「赤心の歌」。
当時私が「Jolie」目当てでこのアルバムを買ったのか、アルバムを買って「Jolie」を見染めたのかは憶えてないが、このジャケ写と「赤心の歌」というタイトルだけでも十分名盤の予感がしたのではないだろうか。
文学的とまでは言わないが、「Naked」を「赤心」と表現したメーカーの洋楽制作担当のセンスに拍手! 座布団五枚!



アメリカ大統領選が終わった。
予想以上にすんなりとトランプの返り咲きとなったが、これはある意味平和な結末といえるかもしれんな。
投票直前のニュース映像で暴動に備えた商店などがバリケードを固めているのを見て、こりゃハリスが勝ったらとんでもない混乱になるのかと思ったからね。
いや、下手すると戒厳令・内戦にでも及ぶんじゃないか。
前回選挙のとき、バイデンの当選・就任に不満をもったトランプ支持者の群れが議会を襲撃したということがあっただけに、まんざら現実味のないハナシでもあるまい。

まぁ別に海の向こうでどんなことになろうとかまわないのだけど、それってロシアや中国の思うつぼだろう。
覇権を着実に広めつつある専制主義国家の連中は、西側の大国アメリカの内部混乱を何より望んでいるからね。
結果ハリスは紳士的にすぐ敗北を認めて平和的に収束してしまったので、ロシアや中国にとっては「期待外れ」だったにちがいない。
まぁ、就任後トランプが何をやらかすのか予測不能の恐ろしさはもちろんあるが。

「赤心の歌」発表当時はベトナム戦争の終盤で、いろんな意味で悪名高きニクソンの時代だったが、まさかその半世紀後国内がこのような分断におおわれているとは誰が予想したろうか。
拳を上げなければならんのは国内の敵対勢力ではなく、ずる賢い眼をしたロシアや中国なのに。

アメリカに、世界に、「Jolie」のようなラブソングを気兼ねなく歌い、聴くことのできる平穏な時代が来ますように…



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