ネットに漂うCDショップ ~ もうすぐバレンタインデー...
今回のおススメBGM / Rickie Lee Jones / Rainbow Sleeves
先日テレビを見ていたら北陸・東北地方の豪雪のニュースが流れていた。
年に何回か降るくらいの我が地と同じ日本とは思えないような災害級の雪が積もっている。
雪かきや雪下ろしのつらい作業が日常で、屋根から落ちて亡くなる人もいるという。
そのすぐあとにどこかのデパートで、バレンタインデーチョコレートフェアのオープンにたくさんの女性たちが並んでいる映像が流れた。
たぶんこれは番組の意図的な編集なのだろうね。
同じ季節の同じ日本で片や日常生活に支障が出るくらいの豪雪と、片や有名なチョコレートショップのシェフを呼んでバレンタインデーをイベント化し、それに群がる着飾った女性たち。
その分かりやすい対比。
多くの人はそれを見て、後者のお気楽ぶりをニヒルに笑うのだろうか。
日本は平和なもんだ、と。
とうとう、この歌の登場だ。
我が愛するリッキー・リー・ジョーンズ、40年ほど前のアルバム「Girl at her volcano」に収録された小品。
別に書いているブログでも何回か紹介したくらいお気に入りの曲だ。
あぁ、「お気に入り」なんて軽はずみなもんじゃないけどね。
こころの端から静かにこぼれ落ちるようなピアノのイントロに、もうしびれる予感がする。
そこから幻のように儚いドラマが始まるのだ。
お顔に似合わぬ妖精がささやくようなその歌声。
どうしてこんな美しいメロディを、こんなにも焦がれるような歌声で語れるのか。
何百回聴いても色あせない。
そして何なのだ、このタイトルは。
「Rainbow sleeves」をして、邦題を「虹の袂(たもと)」というんだよ。
何という詩ごころのあるタイトルなんだろう。
こういう歌に接していると、音楽を聴くという趣味がなかったらどんな味気ない人生になっていたんだろうとまで思ってしまうのだ。
このアルバムには「My funny Valentine」のカバーも入っているが(日本盤はアルバム名も「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」)、さすがの名曲も「虹の袂」の脇役にしかすぎないと感じてしまう。
出会いに感謝、感謝、あぁ、感謝…