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農業ー佐渡のブランド米「朱鷺と暮らす郷」を調べてみた。

先日「アース・セレブレーション2000」の無料ライブ配信が3日間x7時間をYoutubeで観ていたので、よく購入する「朱鷺と暮らす郷」の資料などを調べてみた。

佐渡市(=佐渡ヶ島)の人口は5万3千人である。

南魚沼市、十日町市とほぼ同じである。

日本で最初の世界農業遺産(GIAHS)「トキと共生する佐渡の里山」として「能登の里山里海」とともに2011年に認定された。

トキは1981年に佐渡に残った野生の5羽が保護され人工繁殖を試みたが、残念ながら2003年にすべて死亡し日本の野生種は絶滅した。

これに先立つ1999年に中国からオス個体「ヨウヨウ(友友)」メス個体「ヤンヤン(洋洋)」が日本に寄贈され、同年この2羽による人工繁殖が成功、現時点で200羽を超えている。

これに関係するブランド米「朱鷺と暮らす郷」の経緯が興味深い。

2008年にトキの自然放鳥が始まった。

その1年前の2007年に国の特別天然記念物・トキの餌場確保と生物多様性の米づくりを目的とした「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」を立ち上げ、独自農法による佐渡産コシヒカリのブランド、「朱鷺と暮らす郷」の生産が開始される。

認証制度の内容は
1. 「生きものを育む農法」により栽培されたものであること。→ご自分で検索お願いします。
2. 生きもの調査を年2回実施していること。
3. 農薬・化学肥料を減らして(地域慣行比5割以上削減)栽培された米であること。
4. 水田畦畔等に除草剤を散布していない水田で栽培されたこと。
5. 佐渡で栽培された米であること。

驚いたのは上のグラフの推移だ。平成24年時点で慣習米の作付面積は5年で全体の1割に激減している。

もう少し知りたいので佐渡市農業政策課にメールで簡単な3つの問い合わせをしたらすぐに返答が来た。

Q1:農家の生産コストなどの削減効果はあったのか?
 A1: 農薬や化学肥料代コストは下がりましたが、詳しいデータはありません。
Q2:面積あたりの収穫量は増減しましたか?
 A2: 変わりませんでした。
Q3:農家の手間暇の変化はありましたか?
 A3: データはありませんが、手間はあまり増えていないようです。それよりも地球にやさしい、より安全な米づくりにやりがいを感じているようです。

後日、依頼していないのにパンフレット、資料が郵送されてきた。忙しい中ご対応頂いて感謝申し上げます。

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今後のトキとブランド米の行末についてシナリオを考えてみた。

リスクとしては2点。

1)トキが増え続けた場合のリスク(他の生態系への影響は?)

2)佐渡のブランド米の生産、普及が進んだ場合のリスク

1)については専門家の領域なので触れない。

2)については農業政策にも関わってくるので考察してみる。

まず、新規参入の障壁にならないか、という点である。米の消費量は年々減少傾向にあり、加えて各道県では品種改良が進み食味が優れているブランド米も続々と市場に投入されている。

このブランド米が十分に市場に浸透した後はどうするのか?

これについては取り得る戦略がある。グラフの「認証米以外の減減栽培」に注目したい。

つまりこの認証米以外の減減栽培米をもっとブラッシュアップする方法だ。慣行米と比べて50%以上の農薬、化学肥料をもっと減らすことが期待できるだろう。この部分では競争原理が働いてユニークな佐渡米ができそうだ。


今後、全量が減減栽培米になり、ひょっとすると島全体が無農薬米を栽培する日本で唯一の自治体となるかもしれない。

アフターコロナ時代では、「美味しくて、かつ安全、安心な食べ物」の需要が激増すると思われる。

佐渡の動きに注目したい。

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