研究ノート 私は、30-31歳で、日米学会論文誌に原著論文が数編掲載され、32歳で、東京理科大学理学研究科へ、理学博士の審査申請のための書類一式を提出、標準的審査期間の2年間で、理学博士の学位を取得しましたが、30-34歳の時も、精神疾患は、消えず、治療の日々が続き、50歳を過ぎた頃、米物理学会論文誌Physical Review Dに掲載された世界先端論文を読むようになり、精神疾患も徐々の良くなり、理論物理の研究の道を再開でき、世界の先端にキャッチアップするのに、10年以上
私は、東京理科大学で、最初から、理論物理、それも、「場の理論」(教科書はランダウ=リフシッツ「相対論的量子力学」、物質と場の存在形態の研究)の研究のための準備を進め、学部では、量子力学Ⅰ、同Ⅱ、その他、単位認定される数学科で「関数論」の単位も取り、大学院理学研究科修士課程で、本格的な理論物理、すなわち、物理数学、量子力学特論、原子核理論特論、場の量子論特論など、少なくても、計30単位を取り、博士課程に進学予定でしたが、難解な理論物理の勉強のため、学部後半から、神経疾患を患い、憂鬱な日々を送っており、修士課程の時には、休学しなければ生きていけないほど弱り、結局、精神疾患を治療するため、進学せず、大学ではなく、理論物理とは、まったく関係ない研究機関の研究室に就職し、治療の日々を送り、それでも、27-28歳まで、理論物理で博士論文が書けると思っていましたが、精神疾患は、良くならず、医師から、非常に危険な状況であるため、理論物理での博士論文は、当分か永久か、あきらめ、研究環境を生かし、楽に、短期間で、博士論文執筆が可能な分野で、博士論文をまとめるように勧められ、そうでなければ、生命を失うことになりかねないと強く警告されたため、原子核物理と炉物理の境界分野で、30-31歳で、日米学会論文誌に原著論文が数編掲載され、32歳で、東京理科大学理学研究科へ、理学博士の審査申請のための書類一式を提出、標準的審査期間の2年間で、理学博士の学位を取得しましたが、30-34歳の時も、精神疾患は、消えておらず、なお、治療の日々が続き、50歳を過ぎた頃から、米物理学会論文誌Physical Review D(Particle and Field)に掲載された世界先端論文を読むようになり、精神疾患も徐々の良くなり、決して、完治ではないものの、精神的に楽になり、落ち着き、理論物理の研究の道を再開できましたが、世界の先端に、キャッチアップするには、10年以上もかかると覚悟していました。
数学科での「関数論」の講義内容は、私が期待した内容ではなく、一年間、数式の成立性の証明で、いわゆるε-δの世界であり、理論物理に使える内容ではなく、戸惑いましたが、その時、初めて、理論物理のための物理数学などの内容は、厳密証明を省いた数式の変形、すなわち、オペレ―ションの世界であると感じました。
大学院の試験のために、カンパニエーツ『理論物理学』(岩波書店、1964)を良く読み、内容は、
・力学、
・電磁力学、
・量子力学、
・統計物理学
です。
大学院の「物理数学」のテキストは、その分野で著名な小平吉男先生の作成した上下とも100ページ弱のプリント版であり、講義も小平先生で、内容は、
上巻
・物理学に現れる線形偏微分方程式と境界問題(p.1-42)、
・三角関数による境界値問題の解(p.45-92)、
下巻
・球関数(p.1-37)、
・球関数による境界値問題の解(p.43-53)、
・円柱関数(p.57-96)、
・円柱関数の応用(p.99-120)、
です。
ランダウ=リフシッツ「相対論的量子力学Ⅰ、Ⅱ」の内容は、
「相対論的量子力学」Ⅰ
・序章、
・光子、
・ボソン、
・フェルミオン
・外場内の粒子、
・輻射、
・光の散乱、
・散乱行列、
・不変摂動論、
・電子の相互作用、
・電子と光子の相互作用、
・付録
「相対論的量子力学」Ⅱ
・正確な伝播関数と頂点部分、
・輻射補正、量子電気力学の漸近公式、
・ハドロンの力学的対称性、
・ハドロンの電気力学
・弱い相互作用、
・第一巻への補遺
です。
私の教育論
いまの教育は、具体的には、工学や理学において、すぐに使えるように、現象と数式の暗記(オペレーション止まり)であり、現象の理解に重きを置いておらず(創造の源)、たとえば、物理学において、相対論や量子論などは、歴史的成果の集大成であり、どれひとつ採っても、難解であり、理解できませんが、物理学でさえ、工学のように、現象と数式の暗記であり、それでは、使えても、新しい現象の発見や理論化は、できず、新しいことができなければ、その研究分野は、停滞するだけするだけであり、日本の国際競争力が、1980年代の世界一流国(GNP世界数位以内)から落ち始め、1990-2010年代には、世界二流国(GNP世界十数位)、そして、最近では、さらに低下し、世界三流国(GNP世界25-30位)に成り下がり、さらに、下落の一途を辿っていますが、すべては、創造を軽視した暗記重視の教育の弊害です。
世の中には、二種類の人間がおり、ひとつは、既存知識の応用の世界で生きる人間(普通の人)、もうひとつは、無から有を生み出す新たな創造の世界で生きる人間(博士)で、私は、後者の教育の重要性とそれに基ずく生き方をしてきました。