研究ノート デブリ模擬体炉物理実験不要論 いささか専門的な事になりますが、原子力機構は、核燃料サイクル研究施設NUCEFの定常溶液炉心装置STACYを改造し、軽水炉燃料棒体系での実験が可能なようにし、福島第一原発のデブリ模擬体の臨界性評価のため、炉心の中心領域にデブリ模擬体を装荷し、反応度価値測定を予定していますが、・・・

いささか専門的な事になりますが、原子力機構は、核燃料サイクル研究施設NUCEFの定常溶液炉心装置STACYを改造し、軽水炉燃料棒体系での実験が可能なようにし、福島第一原発のデブリ模擬体の臨界性評価のため、炉心の中心領域にデブリ模擬体を装荷し、反応度価値測定を予定していますが、デブリ模擬体は、実際を反映できず、メルト→メルトダウン→メルトスルーから考えられる推定平均的組成であり、現実には、溶融時系列により、組成の異なるデブリが原子炉直下の大きな空間(直径約5 m高さ約10 m)であるコンクリートペデスタルに堆積しており、溶融メカニズムからすれば、大雑把には推定できても、詳細は誰にも分からず、実験にどれほどの意味があるのか、いまの三次元連続エネルギーモンテカルロ計算コードMCNPによるコンピュータ・シミュレーションだけでも、デブリ模擬体の組成を変え、多くのモデルで炉物理特性、特に、臨界性(未臨界性)や反応度価値の評価などは、自在にできるはずであり、むしろ、コンピュータ・シミュレーションにウエイトを置くべきではないか?
原子力規制委員会は、原子力機構に対し、デブリ模擬体の臨界性評価のための委託研究を計画し、多額の予算を使いますが、無意味な実験であり、原子力機構は、予算を消化するため、無意味無価値な実験を開始しようとしていますが、再考すべき。

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