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ザ・プレイ 登場人物一覧
人類
俺
ポジション:センター
物語の語り手。ハイスクールを出た後セーレム近郊のガソリンスタンドに15年勤続している。幼い頃に父親にザ・プレイのセンターを務めるように言われていたが、本人は忘れていた。郊外で車を運転している最中にフェンウェイ・パークに向かうルースに出会い、自身もザ・プレイへの登板を志す。
ルース
ポジション:サード
全身にタトゥーを入れた年齢不詳の男。父はザ・プレイに憑りつかれ、我が子に対して自己流のトレーニングを強いたり、胸に4回までの得点表を刺青する等の虐待を行った。狂った父親の存在ゆえにリトルリーグにも所属できず、その父親が病死した後は人生に目的を見失い、抜け殻の様に生きた。己の人生はなんだったのか? ザ・プレイは父の妄想だったのか? ついに訪れた約束の晩、ルースはそれを確かめずにはおれない。
軍曹
ポジション:レフト
傷痍軍人。乾ききったイラクの空の下で過ごした日々は、彼から左耳の聴力と右腕部から下を奪った。敗北すらも与えられず萎びたこの身に、いまさら何ができようか――ザ・プレイのレフトという大役を除いては。
マック
ポジション:ファースト
仮釈放中の青年。彼はザ・プレイのことをほとんど知らないが、本来ファーストを務めるはずだった囚人仲間の頼みで試合にやってきた。そのためには少しばかり刑期が伸びても良いとすら思っている。情に厚い男なのだ。
ロバート
ポジション:ショート
マックの保護観察官で、仕事一筋のまじめな男。一方でマックの身を案じてもいる。偶然ザ・プレイの場に居合わせたことで、ショートのポジションに抜擢された。不特定多数がフェンウェイ・パークに不法侵入しているのを見て警官の応援を要請するも、自身はゲームに熱中して応援を呼んだことを忘れてしまう。
スオミ
ポジション:キャッチャー
ネイティブアメリカンの男。先祖代々ザ・プレイの秘密を受け継いできた。登板に当たり、身を清めるために5日間の断食を行っている。
余談だがザ・プレイのこれまでの開催地は古代エジプト、漢王朝支配下の中央アジア、イスラム化されたイベリア半島、ナポレオン征服下のミラノであり、北米大陸で行われた事実はない。にもかかわらずスオミが秘密を受け継いできたことは、ザ・プレイの開催以外にも人ならざる者との交流の場があったことをうかがわせる。
ジョニー
ロバートの応援要請を受けて駆け付けた警官。スタジアムに到着するや否やベンチにいたザ・プレイの「対戦相手」を目撃。気が動転して銃撃してしまう。この不幸な警官は「対戦相手」に引き渡され、試合後に彼らのホームに連行の上で法の裁きを受けることになった。
ジン
ポジション:セカンド
華僑。骨董店を営む。4代前の先祖がアメリカに渡ったのは、星辰の導きによって次回のザ・プレイが北米大陸で行われることを知ったためだ。観客席にいる婦女子は彼の妻子である。
先生
ポジション:ライト、監督
数学教師。自分の意思でここへ来たわけではない。彼は謎めいた学校の上層部からの指示で、わずかばかりのインセンティブと引き換えにザ・プレイの場に遣わされたのだ。にわか仕込みの監督としてチームを導こうとするが、選手の指揮に手間取っている。
ジア
ポジション:ピッチャー
ジンの娘。客席でスマホをいじっていたジアを除いて、フェンウェイ・パークに集まった選手の中には誰一人としてピッチャーをできる者がいなかった。彼女がリトルリーグに所属していたことはその場の全員および、彼らが代表する地球の全人類にとって幸運なことだったと言えよう。
対戦相手
対戦相手
太古より人類と交流を深める目的でゲームを行ってきた謎めいた存在。第5回を戦うべく、今宵は選手に審判を加えた9体がフェンウェイ・パークに降り立った。語り手やルースには個体ごとの見分けがつかないため、ミスター・ピッチャーだとか、ミズハラだとかの適当なあだ名で呼ばれている。
正体は知られていない。語り手の推測では宇宙人や平行世界の住人ではないかとされる。古代エジプトではオシリスやアヌビス等神々の名を借りて呼ばれていた。いずれにせよ古来より人類から畏怖を受けていたことは確かである。
ピエール
ポジション:ファースト
フランス人とサルデーニャ人の混成軍が戦った第4回において、大胆にも対戦相手の一人とトレードされた男。当時のフランス語で喋るため、語り手との会話は困難であった。
ピエールと交換された対戦相手は、試合の後あらゆる国民を平等とするフランス革命政府の理念に従ってフランス軍に加わった。その後は断続的に戦闘に参加したが、ロシア遠征のおり行軍中に隘路から滑落、その先にあった木の枝に心臓を貫かれ壮絶な戦死を遂げた。時の皇帝ナポレオンはこの事故を革命の恥として隠蔽している。