見出し画像

NFTとは何か

NFT(非代替性トークン:Non-Fungible Token)が次世代インターネットWeb3(ウェブスリー)の代表とか言われていますが、NFTはブロックチェーンを使ってデータを保全しています。ブロックチェーンと言えば仮想通貨と言われていた暗号資産です。暗号資産としてビットコインが有名ですがどのような資産なのでしょうか?

比較として実際の通貨を取引する外国為替は国家通貨により裏打ちされており国の評価により相対的に価格が決まります。そのため国がデフォルトにならない限り大幅に変動する事はありません。円が対ドルに対してここ5年ほどは110円前後でしたかウクライナ侵攻後急速に円安となり140円ですが変動幅は2割ちょっとです。例えば輸入業者は利益率が4割の企業にとっては利益が半分になる緊急事態にはなっています。それでも外国との取引は必要なので商社などは一般的に半分円建て半分ドル建てのような方策がとられており為替変動を相殺するようにしています。

対して、仮想資産は人気と欲により価値が評価されているため世間の評判で価値が決まります。5年ほど前は1BCT(ビットコインの単位)、70万円程度でしたが今は300万円になっています。その間の最高価格は700万円なので価値が上がる場面では魅力的ですが下がるときは見たくもないような乱高下で不安定であることは間違いないようです。これを企業間取引に利用する事はベンチャー企業に投資するよりハイリスクハイリターンかもしれません。

NFT、特にNFTアートが認知されたのはオークション会社のクリスティーズで扱われたのとその落札額でしょう。落札額は6,935万ドル、当時のレートだと75億円で落札されました。落札した人は世界最大のNFTファンド創設者と聞くお手盛り感があります。実際クリスティーズの入札開始価格は100ドル約10,800円と低めでした。どんな物なのかと言えば写真のコラージュです。今回はこの画像データに対しての展示の権利だそうです。通常クリスティーズの入札開始価格と落札価格が大きく外れると担当者の信用問題とは言われていますが今回は大丈夫だったのでしょうか。

このデジタルデータは写真と同じJPEG形式でサイズ は21,069 × 21,069 pixelsです。TVの最高画質は規定されている物でも16K解像度で画像サイズが15,360 × 8,640pixelsと比較したらかなり大きな画像なのでメモリを大量に積んだPCでないと表示するのも大変そうです。この写真データを「ブロックチェーンを活用した所有証明書付きデジタルデータにした」ものがNFTアートです。著作権は移転しませんし、データ自体はコピーできますがNFTによって購入履歴が管理されているので展示やコピーの所有が作者から許可されている証明書が付いているって感じです。一般人が購入するならスマホやパソコンの壁紙用に買うぐらいでしょうか。

画像なら簡単にコピーできるのにどうしてこんなに高価になるのか?と言えば著作に関する周辺の権利が買われたという事で今回の画像も仮想空間の美術館で閲覧できるようにするそうです。

ブロックチェーンのブロックとは取引内容を記載したデータの塊。データですので画像でも可能になります。画像はコピーすれば全く同じデータですがそこのシリアル番号を埋め込んで全体のハッシュデータが唯一の物であることになり、その情報をブロックチェーンの仕組みで管理しているのです。※簡易説明なので突っ込まないように。電子透かしなる技術もありますが、、、

ブロックチェーンも色々なバターンがありますが本来の買い残のしにくさは大量の所在のわからないPCに相互接続され相互にデータを繋いで記録しているのでインターネットの世界でも改ざんされにくいとされていますが、最近はプライベートブロックチェーンとなっているものが多くなっています。つのり特定の企業の中で複数のPCで管理しているというだけで従来の複数のコンピュータを相互接続し、外部に対して全体で一台のコンピュータであるかのように見せる技術のクラスタリング(clustering)と変わらないものも多くなっているのでブロックチェーンだから、の意味が薄れています。

ブロックチェーンのソフトがオープンソートとなっており誰でもブロックチェーンを作成する事ができます。実際2ちゃんねるの仲間同士で開発して各自のPCで稼働させて開始されたブロックチェーンはモナコインと呼ばれています。これも取引されており、5年間の最高価格は1,000円程度と現在は66円となっています。元は只みたいなものですからね。

データ交換複数のコンピュータにより分散したコンピュータにすべての記録が管理されており不正をするには分散しているすべてのコンピュータのデータを矛盾なく書き換える必要があるので不正ができないとされています。また、取引データが繋がって記録されるため追跡する事ができます。では不正データ(偽装送金情報)を混ぜてブロックチェーンを枝分かれさせたらどうなるでしょうか。取引のタイミングで相互コピーなので複数の枝が常時発生します。通常はどのチェーンの内容も同じですが相違が発生する事があります。その場合は相違が発生した時点のデータからより長いチェーン(より多くのPCでコピーされた方)が正しいとされまて、短い方のデータが破棄されます。という事は悪意のある者が不正データの方のチェーンをいかに長くするかが勝負になります。世界規模であれば勝つことはできませんが数が少なければ勝つ可能性があります。実際モナコインはこの被害にあっています。

Webの進化はホームページの誕生から始まり、Web2はSNS・クラウドの時代で、Web3はブロックチェーンの時代とか、技術には絶えず進化しておりこれで完璧は無いのです。Dog year(IT業界の進化が人の7倍で成長する犬になぞらえ、1年で7年分の速度で進化していると言った昔の表現)と言われて必して久しいこのIT業界ですが、これからも新たなものを生み出し、そして今あるモノも陳腐化し捨てられているかもしれませんが、経営者は本質を見極めて踊らされないようにしたいものです。

クリスティーズ

Beeple Everydays - The First 5000 Days

ロックチェーンベースのオークションプラットフォーム
Nifty Gateway

ビットコイン

Ethereum

Ethereum仮想マシン

モナコイン


チェックリストのPR


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?