IoT導入によるプロダクトのサブスク化
サブスク(サブスクリプション:subscription)化とは、少々乱暴に定義すると期間指定のないリースのようなもので、モノを所有せずにサービスを享受するものとなります。
IoTの世界では町で見かける赤い電動自転車のシェアリングサービスがあります。これを実現しているのがIoTになります。他にもいろいろな会社がサービスしていますが、例として自転車に取り付けられた装置にはカードリーダー、GPS、電子錠と通信装置が組み込まれています。これにより自転車とクラウドが連携し携帯アプリで操作するとクラウドから自転車に情報が渡ります。例えば貸出にはサービスのWebページからログインして予約すると携帯に認証コードが通知されます。Webページで予約された場所にある自転車の番号が表示されるので現地で自転車の番号を確認して該当自転車の端末から認証コードを入力するとクラウドで認証されて鍵が自動で開錠されます。クラウドらはGPSで取得した位置情報が定期的に送られて自転車がどこに行ったのか管理され、バッテリの残量も管理されておりバッテリの交換もスムーズにできるようになっています。返却は鍵を掛けるとセンサーが反応して返却かどうか表示されるのでボタンを押すと返却完了となり返却メールが届きます。IoTとして最低限必要な機能は電子錠と通信になります。電子錠が出来なければこのサービスは実現しません。他にも電動バイクのレンタル用の装置を開発しましたが、こちらはイモビライザー機能に通信を組み込んだものを作成しました。リモートでモータの電源をon/offするものでカギの代わりになる部分を新規で開発しました。通信部分は4Gの携帯網を使用する組み込み装置値を使ってクラウドと通信するようになっています。
ところでサブスクは儲かるのか、利用者にとってはどうなのか。
ハードウェアのサブスクで高額なのがトヨタのサブスクKiNTOです。2種類のプランがあるので、6ヵ月サブスクで比較してみます。まず「初期費用フリープランで」は最初に最短の3年で契約し中途解約します。まず6ヵ月分の利用料、6ヵ月毎の残利用料は0か月分と追加清算金5カ月分が必要で合計11カ月分の料金を支払う事になります。もう一つ「解約金フリープラン」は初期費用で月額5カ月分相当が必要になりますが。途中解約時も解約金は発生しません。Web上で見積もってみました。
ヤリス X HEV 1.5L 2WD(5人)デフォルトの装備3年法人契約で比較
月額利用料 48,400円×(6ヵ月+残利用料0ヵ月+追加清算金5ヵ月) = 532,,400円
月額利用料 43,010円×6ヵ月+申込金242,440円 = 258,060円
短期であれば「解約金フリープラン」がお得で車がいつでも解約できるメリットは大きいです。これぞサブスク!ですが年単位だと差が少なくなります。
※Web上の簡易見積の結果で実際には販売店で確認してください。
IoTでのサブスクは企業にとっては安定的な収入になる事は確かです。物売りの場合は、売却時に高額となるので契約を取る営業も大変、サポートも大変ですが、サブスクなら少額ながら決まった金額が入るので事業計画もやりやすくなります。ただ、サブスクであるがゆえに解約も簡単にできてしまうので提供するサービスの維持と向上は続ける必要があります。ただ、ハードを伴うサブスクは初期投資がどうしても大きくなりますのである程度の規模が必要になる点も留意する必要があります。
ソフトウェアのサブスクは材料費が要らない
サブスクで有利なのはWebサービスでしょう。材料費が要らないソフトウェアは利用者が増えるほど運用単価は下がります。業務ソフトの飛脚管理や会計を提供するSaaS(Software as a Service:サース)を作るにはソフトウェア開発にかなり費用が掛かります。ちょっとしたツールであればクラウドを使って小さく生んで大きく育てることもできます。内製したソフトウェアであればさほど費用は掛かりませんし、クラウドであればユーザ数に合わせて強化しやすくなっているからです。弊社でも市場調査用に試作したWeb上でチェックリストを管理するサービスを出しています。現在はユーザ毎に個別管理するための最低限必要なの情報としてメールアドレスメールを登録するかLINEでログインすればすぐに利用できます。チェックリストは単純な機能なので機能は少ないですが業務の電子化をするDXの入り口に使っていただければと思います。
株式会社ドコモ・バイクシェア
株式会社KINTO
Webチェック Ver.β1
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