見出し画像

朗読第6回 エレンの歌(アヴェマリア3番)~スコットによせて

日本の出生率が40年間ずっと下がっているという統計報告を聞きました。私も妊娠出産をしない人生を歩むことになってしまいましたので、こういったニュースを聞くと少し心臓がチクリと刺激をうけてしまうものです。日本人の出生率が低いのは経済的問題や女性進出が理由なのではなくて、ぶっちゃけ「“この男の子供を生みたいと女性が思う男”、が少ない」というのが理由だと、どなたかが言っていたような。極論ですが、男性側にも同じことが言えるんじゃないかなと思います。

そんな中で、職場で嬉しいニュースが来ました。

妊活を頑張っていた42歳の彼女「7週目に入ったの」と。

日頃ホルモン剤治療とか、卵子凍結処置とか覚悟の必要なことをたくさん行っていたのを知っているので、もう職場は大喜びです。努力が報われて善かったですよねって、そんな軽々しいものではないのですが自分のことのように職場みんながほっとしました。しかし彼女は「ごめん、悪阻が酷いから早退したい」と早速の申し出。「あ~もう、いいよいいよ~大丈夫?タクシー呼ぶ?ダンナ来てくれるの?ご飯食べれそうにないなら…」とみんながアレヨアレヨで一気に舅姑気分です。苦笑いしながら、でも辛そうに帰宅した彼女。翌日は何となく治まっているようでしたが、3ヶ月目、安定期に入るまでは気が抜けないです。職場で欠員は苦しいですがみんなで乗り切っていこうとしていますよ。

是非、周囲を信頼して安心して新しい家族を迎えて欲しいです。私たちも外野から「ようこそ!」って言いますから。


どうして悪阻なんか起きるのかというと、母体が受精卵を「異物」と認識して警告しているからなんですよね。

実際の社会でも初対面同士の人が完璧に二人三脚が出来るわけが無い。練習とか作戦会議が必要なように、胎児と母体が一時、喧嘩のような状態になることがあります。乗り越えてしまえば強靭なつながりが出来上がります。それまでは、小さい衝撃でも簡単に崩れてしまいかねない脆いもの。

ママになるみなさま、大変だけれど期待しています。


朗読配信は、こちら

https://stand.fm/channels/601fc64085b142d0d859ff7a


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?