アルコール依存症~否認の心理
kiyopi です。
アルコール依存症は否認の病だと言われます。
しかし、アルコール依存症者にとってはちゃんとした理由があります。
今回はアルコール依存症者が決して明かさない否認の心理について明かします。
その正体は『不安』と『恐怖』
前回の投稿で、アルコール依存症というのは ほぼほぼ精神的依存の病気だという事を説明しました。
精神的なストレスで現実と向き合う気力がなくなってしまった、辛く苦しくなってしまった、生きるためにはその現実に触れないといけない、でも もうそんな気力はない、だからお酒に依存している状態。
お酒の問題がなければ、ほかの精神疾患として診断される状態。
言い換えると精神的極限状態にあり、お酒に依存していなければ苦しくて現実と向き合えない、苦しくて生きていたくない、といった状態です。
だからお酒を飲む事から切り離されることに対して、極度の『不安』と『恐怖』に怯えているのです。
心配のつもりが依存症者の不安と恐怖を増幅する
そんなお酒から切り離されることに極度に怯えている状態の依存症者に対して、アルコール依存症の疑いを伝える、医者に掛かる事を薦める、入院を提案する、といったことは依存症者にとって恐怖の対象になります。
医者に掛かってしまったら、確実にアルコール依存症と診断され、お酒を止めるように言われてしまう、入院なんて事になったらそれこそ確実にお酒と切り離されてしまう、そんな不安と恐怖で頭がいっぱいになり、そこで一気に不安と恐怖が爆上がりしてしまいます。
だから、アルコール依存症を疑われても否定する。
医師に診断されても否定する。
飲んでる事も認めない。
飲んだ量を下方修正して伝える。
入院するなら通院で良いと駄々をこねる。
自分で何とか出来ると言う。
いつでもお酒は止められるけど、敢えてしていないと言う。
最悪だと暴れる、脅す、暴力、殺しや自殺。
という事に繋がります。
この心理メカニズムが分かっているだけでも、掛ける言葉や提案を変える事も出来ると思います。
依存症者が大量飲酒に入る前に その苦しみに気付けるのが一番良いのですが、まずは依存症者がストレスで苦しんでいる事を受け入れてあげて 認めてあげるような言葉をかけることの方が大切なんです。
依存症者本人にとっても、家族にとっても、職場の人や友人・知人にとっても。
「なんか随分と辛い事(怒れること)我慢してるように見えるよ」
これだけでも全然違います。
今回は以上です。
最後まで読んで頂き有難うござます。
あなたの断酒が少しでも楽になりますように。
ご家族様の消えない苦しみが軽くなっていきますように。