先住のペンギン、移住のニンゲンに住処奪われる
ぺんにちは!ペンギン好きぃ、鈴木起世美です。
前回はニュージーランドのKatiki Pointでの
キガシラペンギンのレポートをしました。
ここは彼らの保護区ともなっていて、午前7:30〜午後5:30以外は閉まっていたり、保護区ならではの決まり事があります。
『NO ENTRY』という看板。人は入ることはできず、
この先にペンギンたちの巣があります。
遠くに見える三角の形をしたものが人工的なペンギンの巣箱。
外来種のイタチなどもいるらしく、所々にトラップも見受けられました。
イタチはペンギンの卵や雛を食べてしまいます。
ペンギンたちはこの柵を潜り抜けて巣と海を行き来します。
牧草地も隣接しているので、電気柵も張られていました。
ここは昔からペンギンが生息している土地。
キガシラペンギンは本来、
草木の根元や草木に覆われた場所を住処としています。
海岸近くに残されている雑木林が、昔はこの地一帯を覆っていたのでしょう。
しかし、ヨーロッパ人が移住して家畜を持ち込んだことで、牧草地を開拓。
先住のペンギンの住処があっという間に奪われてしまいました。
今では人工的な巣箱や小規模の雑木林の中で生きています。
保護区となっているけれど、
レンジャーや保護区員が常時監視しているわけではありません。
そのため、観光客が来てキガシラペンギンが(柵越しであれ)近くにいた時
必要以上に近づき写真を撮ることもありました。
キガシラペンギンの性格はとても臆病で慎重なので、
そのようなことがあると必要以上に警戒し、
最悪の場合この場に帰って来なくなります。
充分な距離を置いて撮影したこの写真。
それでも彼はしっかりとヒトの存在を認識していました。
この目線が訴えかけるものは何なのでしょうか。
野生地に来たけれど、
野生地の感じがせず、
ここでも複雑な気持ちになりました。
ヒトが開拓した牧草地、
人工的な巣箱、
一帯に張られた針金の柵、
外来種用のトラップ…
保護区ってなんなんだろう。
「こんな環境にしてごめんね」と懺悔したくなりました。
野生のペンギンが見たいが為に、彼らのプライバシーを侵すとは…
私もそのうちの一人なのか。
またもや辛く感じてしまったのは、私が捻くれてるからなのか。
麗しきキガシラペンギンに儚さを感じる一時でした。
あぁ最高に美しきペンギンだ。
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50ページに渡ってニュージーランドのペンギンレポートを
まとめてあります。
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