コガタペンギンが日々恐怖に怯えている現状
ぺんにちは!ペンギン好きぃ、鈴木起世美です。
前回は野生のコガタペンギンが海沿いの道端で逢えるというお話をしました。
コガタペンギンが見れた感動と裏腹に…
コガタペンギンたちが見られるこの場所での観察は、
3、4回する機会がありました。
初めのうちは、「野生のコガタペンギンが見られた!」と感動していましたが、
次第に別の気持ちに上書きされていきました。
「彼らは毎日怯えながら生活しているのか…」
と。
何がそう思わせたのか。
滞在中に私が目撃した3つの出来事をお伝えします。
1.車が通る道を渡らなくては巣へ帰れない
ペンギンたちは海から上がってきて巣へ向かうまでに必ず
アスファルトの道路を渡らなければなりません。
そこには車が通ります。
台数も少なくスピードも落として走行はするのですが、
それでもビカーッとヘッドライトが光りながら迫ってくるそれは
コガタペンギンたちにとっては充分なほどの脅威となります。
実際、車が通ってくるときにちょうど道路を渡ろうとしていた
コガタペンギンたちはビックリして立ちすくんでしまったり、
来た道を引き返してしまっていました。
私はその経過をずっと観察していました。
車が通り過ぎ、脅威が去ったのを確認して
やっと道路を渡り切った頃には30分以上の時間を費やしていました。
↑Youtubeで見つけた同場所での動画です。
ぺたぺた、よちよち歩いていく姿が可愛らしい!と思えますが、
一方で車が走ってくる脅威を彼らは感じているのかと思うと、
複雑な気持ちになります。
奇しくもこの道路の先には、
コガタペンギンの保護施設『Oamaru Blue Penguin Colony』というなんとも奇妙な現状です。
しかも、大型観光バスが毎晩施設を行き来する。
保護してる一方で、脅かしている現実…
それに気づいてしまって、ここでの観察は回を重ねるごとに
私は辛く感じていました。
2.リードなしの飼い犬がコガタペンギンを襲う現実
私はコガタペンギンが犬に危うく襲われそうだった場面を
2度も目撃した事があります。
私がオアマルの海岸近くで
コガタペンギンが海から上陸するのを待っていた時でした。
町の方から海岸沿い に 1 人の人が犬と散歩に来ました。
リードをせずに、です。
すると、ちょうど 1 羽のコガタペンギンが巣へ戻る最中で、
犬はそれに気づき追いかけ噛み付く寸前だったのを
ギリギリのところで飼い主 がそれを抑えました。
慌ててその飼い主は犬にリードを付け、そそくさと町へ行き返していきました。
別の時には、パートナーの帰りを待っていた 1 羽のコガタペンギンは
痺れを切らしたのか巣穴から 出て歩道の近くで待っていました。
そこへリードをしていない散歩中の犬が
一目散にペンギンめがけて走って来ました。
それに慌ててコガタペンギ ンは急いで巣穴へ避難。
飼い主は途中犬の名前を呼んで制止させようとしたが聞く耳持たず。
急いでリードを付け町へ帰って行きました。
この海沿い付近には、下記の看板が立てかけてあります。
『日の出、日の入りの間はイヌ禁止!リードは常に付 けて』と
書かれてありますが、正直看板自体が小さくてこの存在に気付いている
犬の飼い主は果たしてどのくらいいるのか…
そして、たった数回の滞在で2度も目撃したということは、日常茶飯事なのでは?
と、恐怖しました。
実際に過去に犬が一晩で何十羽とペンギンを噛み殺したという事例もあります。
それが未だに防ぎ切れていない現状があることを身をもって知りました。
3.観光客の必要以上の接近
私のように、この場所で気軽にペンギンが見られる
という情報を得た観光客もいて、ペンギン探しをしていました。
そして、見つけるやいなや物凄い近距離まで近づき、
写真をパシャパシャ。
フラッシュもお構いなしにたく始末。
当のペンギンたちはもちろん怯えて立ちすくんだり、逃げたりと…
相手が野生動物という認識が欠如した『ただただペンギンが見たいだけ』の観光客が少なからずいました。
他には、車を走らせていたら道端のペンギンに気付き、
そのヘッドライトをペンギン自体に向け
様子を見るという荒技を行う非常識人も目撃しました。
人と近い距離で生活するリスクの高さを目の当たりにした出来事でした。
そして、私自身が英語がほとんどできないために
上記の出来事をただただ傍観していた自分自身も同罪だと感じています。
ものすごく辛くて
「見たくなかった」「知りたくなかった」と逃げの感情も抱きました。
この時抱いた感情は今でも鮮明に、ずっと残っています。
ただ、現地の人々も全ての問題を野放しにしてはいないようで、
私がニュージーランドから帰国した数年後に、
ペンギンたちのためにあるモノが作られました。
安心して巣へ帰れるペンギン専用のトンネル
『Blue Penguin Underpass Oamaru』という名の
ペンギン専用のトンネルが作られました!
場所は詳しく分かりませんが、車道の下にトンネルを作り、
安心して巣と海を行き来できるような通り道のようです。
動画でこれを知った時ものすごくホッとしたのを覚えています。
少しでも彼らの負担が和らいだなら、よかった。
でも全てが解決した訳ではありません。
今、この時この瞬間も彼らは生きていて生活している。
少しでも多くのペンギンたちが健やかに過ごしていてほしいと心から願った
当時の私であり、今の私もその気持ちは変わりません。
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私の通販サイト『ぺんきょー会 ペもの店』↓にて、
50ページに渡ってニュージーランドのペンギンレポートを
まとめてあります。
これからニュージーランドへ行って野生ペンギンに出逢いたい方、
詳しいニュージーランドでのペンギン情報を読みたい方は、
ぜひお手に取ってみてください!
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