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つまみ細工でわたしができること?

01-3.つまみ細工でわたしができること?

成人式当日。まさにハレの日!
きらきらと輝く新成人の群衆の中、長女も負けずに光を放っているようでした。振袖がよく似合ってるなと思うと同時に、あの簪!本当に素敵!と感動でした。
この達成感は今までの人生では味わったことがないものでした。

そしてこの後、つまみ細工をもっと知りたい!上手に作れるようになりたい!と、つまみ細工の沼にはまっていくのでした。

実はこの長女の成人式は2020年1月のことでした。
この日から3か月後、日本では初めての「緊急事態宣言」が出されます。

長女と2歳違いの次女は高校の卒業式は短縮、大学の入学式は中止のままオンライン授業開始という事態になりました。
わたしはもともと在宅ワークでしたし、主人はこの年の東京オリンピックに向けてすでに在宅ワークの予行演習的なものが始まっており、そのままそのスタイルを続行。娘二人も在宅でオンライン授業。
朝昼晩のご飯を4人そろって食べる毎日!(寮母さんみたいな生活…)

・・・外に出たい!!! 

もちろんそれだけが理由ではありませんが、そうだ!教室探そう!となりました。
そして辿り着いたのが花びら先生の広尾教室。
偶然にも申し込んですぐに通える日程のコースがあり、あまり深く考えずに申込み。
7月のスタートでした。

長女の成人式の髪飾りで自信をつけていたわたしですが、実際に教室で指導を受け始めたらそんな自信はどこへやら。目から鱗が落ちるとはこういうことをいうんだなと実感するほどでした。あの時うまくいかなかったのはこのせいだったんだ!とか、こうすればよかったんだ!とか。教室に通うのが、先生の指導を受けるのが楽しくて仕方がなかったのを今でも覚えています。

この時のクラスでたまたま一緒になった皆さんとは今でも仲良くさせていただいていて、本当にここに辿りつけたわたしの運の良さにはびっくりです。

コロナ禍のせいで、通い始めたころは電車もがらがらに空いていて、新宿も渋谷も歩く人が少ない… あんな東京は見たことがありませんでした。
でも、ステイホームが提唱されていたあの頃、教室に通っているとはあまり大きな声で言えなかったので、ひっそりこっそり作品を作っていました。

それでも家族以外の誰かに見て欲しいという気持ちはあり、そうか、インスタグラムに投稿してみればいいのか!と、かなり前にアカウントは取ったものの完全に放置してあったインスタグラムに投稿を始めました。
すると、それを見た友人知人から、作ってほしいと頼まれることもあり嬉しくて作らせてもらったりもしました。
わたしの作った簪が誰かのハレの日を彩るひとつとなれるなんて、こんな光栄なことはないなって思っています。

広尾に通い始めてから4年が経ち、人混みで歩くのも大変な東京、ぎゅうぎゅう詰めの電車も戻ってきてしまいました。それでもまだわたしのつまみ細工は続いています。

なんと、後藤みな先生(花びら先生)が理事長を務める、一般社団法人つまみ細工検定協会のアドバンス認定講師になりました。びっくり。
ほら。あの日手にした本が、ここまでわたしを連れてきてくれています。
やっぱりあれは運命の一冊でした。
わたしになにができるのか?を、考えるきっかけになっています。

つまみ細工を始めたきっかけの長女の成人式。
最初のかんざしができ上がったときに思ったのは、七五三のかんざしも作れていたらどんなに素敵だっただろう!ということでした。
そんな時に友人に女の子のお孫さんが生まれたので、お願いして作らせてもらいました。お嬢さんにもお会いしたことはあって、お仕事が忙しいこともあり快く作らせてくださって、本当にありがたかったです。
あとで写真や動画を見せていただいたら、かんざしを挿したお孫さんの可愛らしく誇らしげな笑顔に、作らせてくれてありがとう…と心があたたかくなりました。

あの時のわたしと同じように「作りたい」と思っている人がいるかもしれない。道具はどうしたら?どうやって作ってるの?難しいんじゃない?そう考えて迷っている人もいるかも。

そっか。もしそんな人がいるとしたら、だいじょうぶ!わたしがお手伝いしますよって言えるんじゃないかな?

ぼんやりとわたしにできるなにかが見えてきた気がしたのでした。