地方財政あるある#2.財政課、いつも忙しそうにしがち(その2)
-先輩。なんか今日も忙しそうですね。財政課って、なんであんなにいつも忙しそうにしてるんですか?
デジャヴ?
-デジャヴじゃないです。前の話の続きが気になって。
何だっけ?
-「DO」とか「SEE」の話です。
ああ。これね。
で、なんでそんなに忙しいのかという話やんね?
-そうです。今、よかったですか?
ええよ。端的に言うと、県からの照会モノがめちゃくちゃ多いんよね。県と言っても取りまとめしてくれているのが県というだけであって、国からの照会モノというのが正しい表現なんやけどな。
-たとえば、どんな感じなんですか?
せやなぁ。まず、4月から5月にかけては普通交付税の基礎数値照会への対応、6月から7月にかけては決算統計とか健全化判断比率の報告。あと、9月頃からは随時、特別交付税の基礎数値照会への対応、他にも公会計というのもあって、年がら年中、大量の照会ものに対応してる感じかな。まぁ、イメージつかへんやろうけど。
-まぁ、そうですね。
とにかく回答する項目数が膨大。たとえば、普通交付税の基礎数値照会なんて3,000以上あるし。4月とか5月に財政課から照会をかけるのは、それが理由やねんな。規模の大きな自治体は、財政課が照会するんじゃなくて、事業課が回答を作成するというところもあるみたいやけど。
-はぁ。
で、間違えるとえらいことになるねん。たとえばこんなニュースがあってな。
-怖いですね。
怖いねん。ということで、チェックにチェックを重ねる。で、労働時間が長くなる。で、忙しくなる、と。
-なるほど。
なので、原課の皆さんにお願いしたいのは、財政課に出す情報は慎重に慎重を重ねてほしいんよね、まじで。
-気を付けます。
忙しい理由と言うと、だいたこんなとこかな。
-あのー。
なんや?
-「DO」の歳出のところにある「変な使われ方がされていないか?」とか「予算不足にどう対応するか?」という話もお聞きしていいですか?
ああ。ごめんごめん。「変な使われ方がされていないか?」っていうのは、財務伝票のチェックのことやな。財政課長合議の伝票とか起案とか、財政課に持って来るやろ?
-はい。
その伝票に誤りがないかとか、基本的には予算で認められたとおりのお金の使い方をしているかどうか、予算編成とかで言ってたことと違う動きをしてないかとか、イレギュラーなことが起こってないかとか、監査とか市民さんの情報公開に耐えられる内容になっているかとか、そんな感じで確認してるかな。これは年間通してやること。年度末と年度始は大量に回ってくるのでめっちゃ大変。
-けっこう大変そうですね。
大変やねん。あと、「予算不足にどう対応するか?」やけど、これは不測の事態、たとえば施設の電気系統の不具合が起きてしまったとか、そういう場合にどうしたらいいかというのを原課から相談されることもまあまあ多いかな。
-あまりそういう経験が無いんでピンと来ないんですが。
せやな。部署によってはほとんどそんな必要ないってところもあるしな。
-そうですよね。ちなみに、予算が足りないという場合はどうするんですか?
予算不足には補正予算を組んで対応するのが基本で、議会ごとに議案を作って議会に提出して議会に承認してもらうんやけど、この議案書はミスが許されへんから、かなり気ぃ遣うな。あと、予算流用とかで対応するとかもあるけど、まあ、ここら辺の話は話すと長くなるし、また気になったら聞きにおいで。
-ありがとうございます。勉強になります。
そうそう。忙しいと思われがちな財政課、それはそれで間違ってはないと思うけど、年がら年中忙しいかというと、実はそうでもなかったりすんねんな。
自治体によっては予算編成の開始が早いところもあるし、一概には言えへんけど、だいたいこんな感じ。なので、8月とか9月は比較的余裕かも。
-財政課、休みが取れないと聞いていたので、意外です。
夏休みはとれる。けど、有休はなかなか取りにくいかもしれん。ゼロってことはないけど。
-そうなんですね。お身体、大事になさってくださいね。
ありがとう。涙出てきそうやわ。
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