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【児発・放デイ開所の記録】No6.この物件はどうなんだ?

物件探しは再び振り出しに戻り、新着物件のチェックを日課としている。戸建ても候補に入れ検討したが、騒音や近隣住民とのトラブルのリスクを懸念し、選択肢から外すことに決定した。

戸建ては指導訓練室や駐車場の確保が容易な一方、住宅地内での騒音問題や、隣家との距離が近いことが問題となる。近隣住民からの反発は、事業所だけでなく児発・放デイ事業全体のイメージを損ねるリスクがあり、長期的な事業継続が難しくなる可能性もある。

このような背景から、条件に合う物件を見つけるまで、慎重に物件探しを続ける方針を決めた。


毎日のように不動産屋のウェブサイトを見続けていた。

忙しくても新着物件だけは優先的にチェックして、条件に合致するかどうかを確認していた。

ある日、見慣れない物件を発見した。
駅から徒歩10分。1階、2階が商業用、それ以上は住宅用となっているビルである。

築年数は新耐震基準、平米数も法定基準を満たすことはできるだろう。家賃も想定内なので大丈夫そうだ。

そして、物件のPR文章には「放デイにおすすめ」という言葉も添えられている。

しかし、「おすすめ」と言われても、本当に大丈夫なのかはわからない。
これまでにも、業種NGの物件に期待を裏切られた経験があった。

とはいえ、見てみなければ始まらない。すぐに不動産屋に連絡を入れ、詳細を確認した。

幸いにも業種は問題なし。

「内見いつにしますか?」
「出来るだけ早くが良いですね。」

電話して2日後に内見日が決まった。

不動産屋もすでに慣れたもので、内見日には自動火災報知機の有無や検査証の有無などは調べてくれていた。本当に助かる。

「検査済み証はないらしいのですが、建築概要書でも良いですかね?」

川口市障害福祉課に確認したところ検査済み証が無くとも建築計画概要書があればよい(検査日が確認できれば)とのことだった。あわせて、この物件の詳細情報を送り、児発・放デイの開業地として問題ないかと確認もしていた。

Googleマップである程度の情報は調べていたのでギャップはなかった。

近隣の学校の情報や風営法に引っ掛かる店舗がないか。スナックなども該当するので要注意である。ストリートビューで駅からの経路や学校からの経路も調べていた。

室内は少々狭くは感じたが、個別と小集団でサービス提供するなら問題ないかと思われた。

LITALICO社のコンサルからは事前にLITALICO教室の図面なども共有いただき、個別支援を行うために用意している部屋の平米数名なども把握していた。

悪くなさそうという印象だった。

内見の際、不動産屋に気になっていたことを聞いてみた。

「ちなみに、この物件って前までなかったですよね?」

「実は、契約直前まで行っていたのですが…
前のご相談者はヨガ教室をフランチャイズで経営しようとしていたのですが、本部より物件NGが出てしまって契約が直前で流れてしまったのです。」

丁度、そのタイミングで内見相談をいただいたのでとても良かったですよ。

「皆さん、スケルトンというのがハードルが高いようで…」

そう、この物件は「スケルトン」だったのだ。

「スケルトン」とは
建物の柱や梁などの構造体だけの状態を指します。内装や仕上げが取り外されている状態で、骨組みだけが残っています。これにより、内装を自由に作り変えられるため、リフォームや用途変更がしやすいのが特徴です。

その時の様子がこちら。

正面玄関を入ってすぐ。
裏口から正面玄関を見た様子


大きな窓が並んでおり、光が良く入る

スケルトンだと内装費用が必要であり、追加で数百万円は覚悟しなければならない。

レイアウトなどを自由にできるのはメリットではあるが、費用面の負担が大きいのだろう。

居抜き物件が良いというのは、この費用がかからないからである。

しかし、そんな物件は都合よく見つからないのはすでに覚悟していたので、スケルトンから内装を作っていこうと決めていた。

これ以上の物件は見つかりそうになかったので、申込を行いたい旨を不動産屋へ伝え、再び連絡待ちの状態となった。

この時は、消防設備などでとても苦しむことになるとは思っていなかった。




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