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ネズミに引かれちゃうよ

チクタクさんの企画#愛してるぜばぁちゃんを読んでおばあちゃんのことを思い出してみた。

越谷のおばあちゃんはいとこのナオちゃんのおばあちゃん。私の父の弟のお嫁さんのお母さん。つまり私とは血は繋がってない。けれど私が生まれた当時、父の会社で働く若いお兄ちゃん達のおさんどん(ごはんの支度)で母が忙しくしていたから、近所に住む叔父のところから越谷のおばあちゃんが来てミルクやオムツの世話をして私の子守をしてくれた。

私が小学2年生の時、ナオちゃんが自転車の後輪に足を挟み、連日通院することになってしまった。夏休みだったので、ナオちゃんの小さい弟達、留守番中の退屈しのぎ、外に出られないナオちゃんの遊び相手としてお泊りに行った。私は末っ子で、弟妹がいないから日中は小さな子と遊ぶのが楽しかった。
3日目の夜、急に家を思い出し眠れなくなってしまった。すっかり忘れていたのに、心配でいてもたってもいられない。
「お家に帰りたくなっちゃった。みんながネズミに引かれちゃうよ。」
おばあちゃんの布団に潜り込んで泣いた。

翌日、私は朝一番で家に送ってもらった。
どうやって泣き止んだかは覚えていない。ただその時の事を思い出すと、おばあちゃんのしわがれた優しい声が聞こえてきそうだ。

「ネズミに引かれる」何か持って行かれるとか、ボーってしてると連れて行かれるという意味で使ってたけど、こんな言い方、すっかり忘れて今は使わないな。当時の家の屋根裏にはネズミが住んでいて、時々ダダダダダッって走る音がして、ネズミの運動会だなんて言っていた🐭。本気で家族がネズミに引かれていくと思ってた。

#愛してるぜばぁちゃん

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