映画「14歳の栞」
教育に関するブログを主に書いている元中学校教員のkiyomi🍊です。
この投稿は、映画「14歳の栞」を観た私の感想記事となっています。
池袋シネマ・ロサにて、上記の映画を観てきました。
登場する生徒35名の一人一人の個性をまざまざと見せつけられた2時間のドキュメンタリーでした。
教師は生徒のほんの一部しか見ていない
劇中、カメラは教室だけでなく、部活での様子、さわやか相談室(埼玉県の中学校に設置されている相談員やカウンセラーがいる部屋)、下校時の生徒の会話、家庭での様子、デート中の様子までを記録していました。
そして、スクリーンに映し出されたのは、14歳の生徒一人一人の本音や悩み、葛藤でした。
この映画が全編を通して訴えてきたのは、教師が見る生徒の姿は、その❝ほんの一部❞でしかないということでした。
生徒は、場所や状況によって全く違った一面を見せます。それは普段、声には出さない、内に秘めた想いがあるからです。
「悩みが無い人」など、誰一人としていない
いつも明るく振舞っている生徒も、反対に普段は無口であまり感情を表に出さない生徒も、それぞれに悩みを抱えて生きていることを、この映画は教えてくれます。友人関係や、将来のこと、怪我、挫折、自分は何者なのか…そのような赤裸々な悩みを、信頼関係を築いた取材スタッフが聞いていきます。
「多様性の尊重」が学校教育に訴えかけてくるもの
昨今、多様性を尊重することが社会全体で求められています。
それは、現代社会にはまだ「画一的な価値観」が根強く残っていることの裏返しです。
日本の学校現場は、今まさにその変革期に突入しました。
多様性とは何なのか? それを、子どもや教師が今やっと考え始めたのです。
かつて当たり前だった、みんなと同じ=善 という価値観が変わりつつあります。
私はこの作品を観て、
「多様性の尊重」とは、現代(いま)になって必要とされた概念ではなく、
時代に関係しない教育をする上での最も基本となる考え方だということを痛感しました。
映画の終盤、クラスの集合写真を撮ろう、と担任が提案します。
それは、まもなく3学期が終了し、クラス❝36人❞の解散が迫ったある日ことでした。提案された場所は、学校のすぐ横にある河川敷、桜の下です。その撮影予定日を知らされ、クラスの生徒がある行動を起こします。
およそ3カ月間、生徒たちの日常を追いかけ、それぞれの個性を撮り続けた映画のラストは、まさに多様性の尊重とは何かを観る者に問いかけてくるのでした。
終わりに
登場する2年6組の生徒さんたちはもちろんのこと、映画撮影に協力された保護者、教員、学校の覚悟と器の大きさにあっぱれでした。
なお、本作品は(2023年3月現在)配信やDVD化はされていません。
登場する生徒さんたちは、実名で紹介されているため、視聴は劇場のみとなっております。上映場所は、映画の公式HPよりご確認ください。
ここまでお読みくださり、誠にありがとうございました。
生徒の目が輝く学校を広めることが私の夢です。
by kiyomi🍊
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