「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
今日は、聖金曜日。主イエスが、十字架に磔にされたことを覚える日だ。
「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
(わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか)
主が、十字架の上で大声で叫ばれた言葉だ。
現代の私たちは、この文言を「詩篇22篇から」という。しかし、今の章と節は、後世の人が付けたもので、当時は存在しなかった。今のシナゴーグ(ユダヤ教会堂)もそうだが、当時は、巻物の最初に出てくる言葉で、どこを指しているのかを示していた。
したがって、主が上の言葉を叫ばれた時に、まさに「詩篇22篇に書かれてある全体を見よ」と言っておられたに他ならない。そこには、克明に、十字架刑の処せられている者側からの、自分の身体に起こっていることを記しているのだ。
書いたのはダビデ(紀元前十世紀頃)。しかし、ダビデ王は、聖霊によって、ローマが初めて発明した言語に絶する激痛と、恥辱を与える十字架刑の苦しみを、預言したのだ。自分から出る世継ぎの子が、このような目に遭うことを知って。
読み進めればわかるが、苦しみの中で救いを叫び求めている中で、一気に、神への賛美に変わる(21節後半)。そう、この正しい方、聖なる方が、死の中に留まることはなかったのだ。よみがえり、神をほめたたえている者たちと共におられる様子が、預言されている。
明後日、日曜日、世界中の教会が、主イエスの復活を祝う。
参考記事:「パラシャット・ハシャブア入門」