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夫の生態|やらなくてもいいことからやってくれる

土曜日の夕方、病院へ行ってきた。
夏からなかなか治らない私の風邪が、かれこれ3ヶ月もこじれにこじれて喘息一歩手前まできている。

私が通っている病院は、一歳の娘に付き合ってもらうにはあまり良い環境ではないので夫に預けた。
待ち時間が長いので2時間はかかる。

娘のおやつと飲み物、夫のおやつを机に置いて「後は任せた」と15時に家を出た。

一緒におやつ食べて、眠くてグズるようなら寝かせてあげてね。と。
後のことはいいから、あなたも一緒に昼寝しちゃいなさいと。なかなか忙しい日々を過ごしている夫はその晩も会食の予定があるからだ。

処方箋を持って薬局に着いた頃には17時を過ぎていた。
まずい、もう暗い。

薬局を出たら運転しながら、すぐに取り掛からなきゃ行けないご飯の準備と、ごはんを食べたらすぐに入れたいお風呂の流れをシミュレーションしていた。洗濯物からお風呂上がりに使う物も出さなきゃ、とか。

17時半頃帰宅。
すると、言付け通りおやつと昼寝以外何もしなかった娘とパパがニコッと出迎えた。

うん、大丈夫。
洗濯物畳んでとも、お風呂上がりの準備してとも、ごはんの準備してとも頼まなかったから想定内だ。

ただ、外は暗いし冷えているのにカーテンすら閉めず、煌々と明るい蛍光灯の下で、何故か楽しそうにパパの膝の上で水をチューチュー飲んでいる娘がいて笑えた。

私だったらまず、ごはんを火にかけながら、洗濯物も片付けて、カーテン閉めて…とパタパタと動くんだろうなと思った。
そういう物が目につかず、純粋に娘との時間を満喫できるような大らかさが夫の好きなところだったな。

そんなことを思いながらパタパタと動き始めたところで気がついた。

出かける前とは決定的に違う物に。

モビールだ。私が娘の為に編んだモビール。
抱っこで持ち上げて遊ばせると、ぐるんぐるんに絡ませてしまうやつ。

1週間くらい前に派手に絡ませてしまい、私はお手上げだった。それを直すのに時間をかけていられなくてそのまま放ったらかしになっていた。

それが綺麗に直っていた。

それも自分からは直したことを何も言わず、静かにやってのけるところが夫らしい。

時には「やらなくてもいいけど、やりたいことからやる」という夫の性分にイラッとしてしまうけど、私とは真逆過ぎて尊敬するし、好きだなとも思う。

人と一緒に暮らしていると、一人暮らしではまず起こらなかった予想外の事が色々と起こるのが面白い。
私は数年前まで他人だったこの男の人のことを、まだまだよく知らないんだろうな。

時間を掛けても分かり得ないところもあるのかな?
でもその方が面白そう。

夫婦って面白い。

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