「すき」との関係
少し前まで「すき」との関係は、微妙なもので…
美しい音楽、素晴らしいアーティスト、魅力的な絵、内容はもちろん装丁まで素敵な本、洋服やアクセサリーなど身に付けるものまで、
「すき」なものに手を伸ばし、手に取ってきているはずなのに、
何故かいつも変な後ろめたさみたいなものを感じていて、
心の奥の 裏の方には『私なんかがすきになるものなんて…』という気持ちが潜んでいました。
今思えば なんともお相手に(人にも物にも)失礼な…!
もちろん、自分の気持ちや感性にも!
「すき」なものは「すき」と、
ただそれだけでよくて、それだけで幸せなことなのに。
何がどうしてそうなったのかは…
まぁ、深掘りすれば色々出てくるのですが、
それはまたにして。
今日は「すき」の告白にします。
幼少の頃から音楽がすきで、ピアノを習い、音楽大学を卒業し、今はピアノの個人レッスン中心の音楽教室を主宰しています。
そんな私が 一番すきなピアノの演奏スタイルは、ピアノデュオ!
ソロももちろん「すき」ですが、断絶デュオに心躍ります。
2台ピアノも、連弾も大好き!
聴くのも弾くのも大好物です。笑
きっかけは、大学時代。
私の入ったピアノの門下は、1・2年生はピアノデュオで発表会に出る習わしで、そこで友人と2台ピアノを弾いたのが最高に楽しかったのです。
2人でどう演奏するか研究しながら曲を作り上げていく作業も、向かい合ってアイコンタクトを取りながら演奏することも、全部が新鮮でしたし、わくわくしました。
沢山の作品を聴きましたし、演奏会にも積極的に行きました。
その想いは今も続いていて、演奏にいくのはもちろん、教室の生徒さんや友人達とも様々な連弾曲を弾いて、ピアノでのアンサンブルを楽しんでいます。
最近は、2台ピアノを勉強させていただけるご縁もできて、憧れだけで購入していた大量の楽譜も日の目を見られそうです。
うれしい。
写真は、教室に飾ってある絵です。
ポール・コラン《ヴィエネールとドューセのデュオ》1925年間
この絵も、20年近く前から持っていたのに、やっと今年飾りました。
ピアノの先生してるのに、ピアノソロが一番すきじゃないんだ?! みたいな気持ちがあったのかもしれませんね。
どれだけ拗らせてるの、本当に。笑
今は、毎日眺めて「すき」を味わっています。
このご時世で、なかなか人とピアノを弾くのが難しい状況ですが、落ち着いたあかつきには存分に!
拗らせていた「好き」のお話しでした。
紀代子