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長谷先生との1回目の面談の話の内容を手術の前に書き終わっておきたい。と思って慌ててまたあの日の録音を聞き直している。
5の続き。
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もう少し深い話をしなくてはいけなくて、と前置きして先生はAGCの話をし始めた。
・今回は細胞診というがん検診で引っかかってきていてAGC = Atypical Glandular Cellsも異常初見としてででいる
・子宮頸がんは子宮の入り口にできるもの。子宮全体として見た場合ある部分(今回円錐切除で取る部分寄りも内部側に進んだところ)から細胞の性質が変わる。
・出口側は扁平上皮細胞といって皮膚や粘膜の上皮と同じ細胞で、内部側は腺細胞といって粘液を分泌する細胞が表面にのかっている。基本的にこの境目に癌ができる。
・出口側の細胞から出てきたものは異形成を作り最終的に扁平上皮癌と呼ばれる。こちらの方が多い(発症率が高いという意味)。
内部側にできる癌は腺がんと呼ばれ、この2つの癌は種類が違う。
今回私はこの懸念もあるということだ。おーのー。
・今確定診断がついているのはCIN3 = Cervical Intraepithelial Neoplasia 3のみ。以前の検診でAGCも調べてくれているのだけれど(つまり腺がんが発生する部分の細胞も診てくれたということ)、どうしてAGCが(診断として)出た原因ははっきりしていない
AGCというのは難しくてなかなか見つからないもの。
・円錐切除をしてみて、どうかなという感じ。円錐切除をやって診てみて何もなかったということもよくある。
・円錐切除は診断と治療の意味がある。診断的治療。
結果としてCIN3が全部取りきれればその後は治療になる。ほとんど再発しないと言われている。
もし仮にAGCが見つかった場合、腺がん系の異常ということになり、これもヒトパピローマウイルスの感染によって起こる場合が多い、こちらの診断をするという意味合いも(円錐切除には)大きくある。
流れとしてはこんな感じです、と長谷先生は説明をひと段落させた。とても丁寧に時間をかけて話してくれたし、長谷先生の話し方には、医師独特のものなのかもしれないけど、何事にも平常心でいられるような落ち着きがあって、話がよく入ってきた。とはいえ、癌家系でこれまで親族の死因がほとんど(おそらく全て)癌だったことが、自分が診断を受けてからずっと頭から離れない自分にとっては腺がんの可能性があるというのはショッキングだった。癌と認知症を患って死ぬであろうことは前々から予想しているけど、いくらなんでも早すぎるわ!って感じである。そんなことを思いながら叔父は45歳で亡くなったことを思い出す。他人事でもないな。
「だいたいご理解頂けましたか?
…で、早くやろうという頭があったと思うんですけど、」
と長谷先生が再度話し始めた。
ここから“いつどこで手術をしてどのように治療していくか”と言う話に入る。
・手術を早くやることについて、実際少し手術枠が空いているのですぐに出来ないことはない。けれども、出血がある(4月16日にピルの服用をやめてからこの日までに軽度の出血が始まっていた)ことと、ピルを飲んでいた影響で血栓をつくるリスクがあるが弊害になる。
通常、お腹をいじる手術は絶対にピルをやめて1カ月経たないとやらない。絶対に。今すぐに手術をしないとこの人は死んでしまう!という場合を除いて、待機できる場合は、絶対にやらない。これは血栓の話において。
先生は珍しく「絶対に」という言葉を繰り返し使って話した。初めて会った人に対して珍しいも何もないんだけれど、敢えてその言葉を繰り返し使うことでリスクを強調していることが受け取れた。
29th May 2023