50社以上の「社内ラジオ」事例から分かった、とくに効果が高い8つの活用シーン
音声プラットフォームVoicyで「声の社内報」の事業開発やプロジェクトマネージャーを担当している堤と申します。「声の社内報」はVoicyを使って、いわゆる「社内ラジオ」を作ることができるサービスです。
2019年10月から始まった「声の社内報」も、この3年で50社以上のみなさまに活用いただきまして。「社内ラジオ」の知見もすごく集まってきています。
しかし、まだまだ日本の中では「社内ラジオって何がいいの?」「レクリエーションの一種なのかな」といった印象を持たれている方も多いのではないでしょうか。
そんな方にぜひ「社内ラジオの良さ、面白さを知ってほしい」。そんな思いを以前記事に書いたりもしました。
そこで今回はその続きとして、これまでの社内ラジオ事例をもとに、「とくに効果が高かった活用シーン」を8つご紹介したいと思います。社内ラジオは使い方次第で、組織をぐんと活性化させるツールになりえます。参考にしていただけたら嬉しいです。
組織開発
1. オンボーディング(社史・MVV共有など)
新しく入ったメンバーの方に向けて、会社のこれまでの歴史や、ミッション・バリューなどを共有するオンボーディング放送です。細かな業務の前に、入社時に聞いておいてもらうことで、組織やサービスのことを知った状態でメンバーがスムーズにチームになじめるようになります。
例として、Voicyではこんなオンボーディング放送を準備しています。
参考音源として、下記から聞けるようにしてますので、よかったら聞いてみてください。
2. 社長週報
社長や経営陣の考えていることを共有する放送です。組織の人数が増えてくると、どうしても経営陣とメンバーの距離が離れてきてしまうもの。社長が全体集会などでメンバーに話をするとしても、月に1回なんて会社も多いのではないでしょうか。
それを、毎週数十分、いま直面している課題や嬉しかった出来事などを社長が自らの声で共有することで、組織が向かっている方向をリアルタイムに把握できるようになります。
コミュニケーション活性化
3. メンバー間の対談・インタビュー
MCがメンバーに対して、「入社理由」や「最近ハマっていること」「嬉しかった出来事」などをインタビューしていく放送です。
「リモートが当たり前となって、仕事以外の雑談が減り、メンバー同士の距離が離れてしまった」「いつの間にか知らないメンバーが増えた」、そんなのコミュニケーション不足の課題を「声の社内報」のお問い合わせでもよく聞きます。
それを「話してお互いを知る」という一番シンプルな手段で解決するのが、このメンバー同士の対談・インタビューという方法です。
例として、学習塾事業を展開されている明光ネットワークジャパンさんは、全国630名のメンバーを繋ぐ放送をとてもうまく続けられてまして。放送スタート時からの1年間を振り返った記事も出してますので、合わせて参考にしてみてください。
4. 社内ライブイベント
社内の周年イベントや、サービスの節目、月1回の催しなどを、社内ラジオというフォーマットで開催します。
オンラインのリアルイベントや動画イベントだと、どうしても仕事の手を止めてそのイベントに参加しなくてはいけなくなるため、あまり凝った企画は難しかったりしますが、それを「ながら聞き」ができる音声で、ラジオ番組のようにおこなうことで、仕事の邪魔をせずに組織の一体感を生むイベントを作ることができます。
例として、アサヒ飲料さんは、創立50周年のイベントをVoicyを使った社内ラジオで開催されていました。50周年にちなんで50歳のメンバーに話をきいていく企画など、合計8つの企画を実施。「対話による相互理解」という周年イベントのテーマを、社内ラジオという形で体現されていました。
教育研修
5. ナレッジシェア(専門業務・現場情報など)
社内に溜まっている知見や、その事業ならではの専門業務などを音声で解説する放送です。リモート環境になったからこそ、オンラインで学べるEラーニング教材が必要になってきていると感じています。
制作コストの面でも、音声は動画より手軽につくることができるため、「声の社内報」を導入されてるある企業では、もともと動画1本を作るのにかけていた時間で、音声を10本以上つくることができるようになったそうです。
医療分野など、入社後のインプットが多く必要な業界で、この音声によるナレッジシェアは増えてきています。また、共通の悩みや失敗経験をメンバーが持ちやすい業態では、失敗を乗り越えた経験談を先輩社員に話してもらう放送も人気です。
例として、武蔵野大学さんでは、「いまこの学問をなぜ学ぶといいのか」「何がこの分野は面白いのか」といったチュートリアル的なお話や、学生と先生の対話を放送することで、学生のより深い学びに繋げているそうです。
6. 社外 専門家との対談放送
社外の経営者や講師の方などをまねいた対談放送です。これまで、社内セミナーをやったことがある企業の方も多いと思いますが、コロナによってリアルでの実施は難しくなり、オンラインイベントを動画でやろうとすると機材の準備だけでも大変、という状況だったのではないでしょうか。
音声にすることによって聞き手は、「ながら聞き」でインプットがしやすくなり、提供側はスマホ1つでしっかりとした音声セミナー・対談放送をつくることができます。
例として、ホームセンターのカインズさんでは、CHROの西田さんをMCにゲストとの対談を定期開催されています。「1分で話せ」の著者 伊藤羊一さんをゲストに「伝わるコミュニケーション」をテーマにした対談や、ジャパネット社長の髙田さんをゲストに「小売業の未来」をテーマにした対談をされていました。
以下は、その社内向け対談放送の一部を書き起こしてオウンドメディアに掲載された記事です。
広報・人事
7. 社内ニュースの週次放送
社外に出したニュースリリースやメディア掲載、ユーザーからもらった嬉しいフィードバックなどを定期的に共有していく放送です。社外向けには、きれいにまとめられたニュースリリースなども、裏側では頑張ったメンバーの働きがあったりします。そんな社内の動きと合わせて自社の関連ニュースを共有することで、メンバーもお互いの動きや会社への理解が深まっていきます。
例として、アウトソーシング事業を展開されているビーモーションさんは、オープン社内報という形で外部の方々も聞けるようにしているのですが、自社ニュースの音声共有を定期的におこなうことによって、社内外の関係者がビーモーションさんの今を知ることができるようになっています。
8. メンバーアンケートへ音声回答
社内向けのアンケート結果や、メンバーからの質疑に答える放送です。Wevox・モチベーションクラウドといった従業員満足度を測るツールや、Googleフォームをもちいた自社オリジナルのWEBアンケートによって、メンバーの意見を定期的に集めている会社が増えてきていますが、ただ集めて、観測しているだけという会社も多いのではないでしょうか。
このメンバーへのフィードバック放送をすることによって、「組織のいまの状態を経営陣や人事がどう考えているのか」をメンバーも理解できるようになります。
「もう少し説明が欲しい」と質問をもらった部分も、文章で端的に回答してしまうとそっけなく感じてしまうこともありますが、「質問をもらったこの新制度についてはいろいろ悩んだんだけど…」といったように、過程やニュアンスもあわせて声にのせて伝えられるとまったく違う印象になります。
この組織に対するフィードバックは、全社向けのオンラインミーティングなどで話すと、固くなりすぎてしまうテーマですが、社内ラジオというフォーマットにすると少し砕けて話しやすく、メンバーも受け取りやすくなるのでおすすめです。
以上、「社内ラジオ」の効果的な8つの活用シーンでした。最後にあらためてまとめたスライドを掲載します。個人的にも、社内ラジオの文化がもっと日本で広まるといいなと思ってまして、この8つの活用シーンは、Voicyを使わずとも試せるものではあるので、ぜひ放送作りの参考にしていただけると嬉しいです。
その他の事例
「声の社内報」の導入事例を下記のnoteにまとめています。こちらもあわせて参考にしてみてください。
お問い合わせ先
企業の方へ
もしVoicyでの社内向け配信に興味が出たという企業ご担当者の方いらっしゃいましたら、下記のサービスページからお願いいたします。
「声の社内報」を使うとメンバーごとに聴取権限を付与することでセキュリティを担保したり、データを細かくみながら改善していくことができます。収録ツールも多くのパーソナリティの方々が使っているスマホアプリを、その放送作りの知見と一緒にご提供します。「しっかりと続く社内ラジオを作っていきたい」という方はぜひ一度お話いただければと思います。
個人の方へ
音声活用や、新規事業周り、ご興味ある個人の方いらっしゃったら、こちらのMeety経由でご連絡ください。軽めの情報交換からでもぜひお話しましょう!
メディアの方へ
メディアの方からVoicyに対する取材オファーでしたら、株式会社Voicyのお問い合わせ経由でお願いいたします。もっと「社内コミュニケーションを音声でおこなう文化」を広めていきたいと思っているので、Voicy関わらず社内ラジオ全般に関するお話だけでも大丈夫です。ぜひご相談ください。
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