仙腸関節障害 ~基礎的知識~
こんにちは!腰痛マガジンメンバーのこじろう(@reha_spine)です。
今回はの内容は「仙腸関節障害」についてです。
非特異的腰痛には筋・筋膜性、椎間関節性、椎間板性、仙腸関節性など様々な要因があります。
その中でも今回は仙腸関節性腰痛の特徴や基礎的知識について、まとめましたので最後までご覧頂けますと幸いです。
今回の記事は特に以下のような方にオススメな内容となっております!
では本題に移っていきましょう!
▶腰痛に占める仙腸関節由来の割合
2015 年に山口県で行われた多施設共同研究で非特異的腰痛に対して発表されたデータについてご紹介させて頂きます。
報告者間で異なりますが、腰痛に占める仙腸関節由来の疼痛は3,5%~30%と言われています。
さらに次のデータをご覧下さい。
対象は 2015 年に整形外科医院を初診された 320 例の腰痛症患者で平均年齢 55,7 歳(20-85歳)です。診断が可能であった78%(250 例/320例)の内訳は以下の通りです。1)
このように仙腸関節性腰痛は決して少なくない言えます。
▶仙腸関節の支配神経
では、次に図を見ながら仙腸関節関節面の支配神経を確認してみましょう!
仙腸関節前方はL4~S1神経前肢、下部はS2神経後枝外側枝、上殿神経、後上方はL5神経後枝が支配しているとの報告がありますが、報告によっては多少のばらつきがあります。これらの仙腸関節への広範囲な神経支配は仙腸関節由来の痛みが腰下肢のあらゆる部位に痛みを出し得ることを示しています。
また、仙腸関節の関節包には神経終末が確認され、関節後方の靭帯領域にも分布することが証明されており、その靭帯領域が発痛源になり得ります。この場合には仙腸関節外の疼痛となります。2)
また、仙腸関節における変性は中部~下部に多く、30歳代以降で変性しやすいとも言われています。
特に下部では関節腔の狭小化も認められるとの報告もあります。つまり、関節内には多くのストレスがかかっており、それが原因で仙腸関節内の疼痛が生じる場合もあります。
▶仙腸関節性疼痛に特徴的な疼痛域
仙腸関節の神経支配は下位の腰部神経根から仙骨神経根であるL4~S2、上殿神経まで広範囲の神経により支配されています。
そのため、腰下肢のあらゆる部位に多彩な症状が出現します。
「臀部、鼠径部、大腿後面、足関節」まで広範囲に疼痛が生じるため、疼痛部位から一見、腰椎由来の大腿神経痛や坐骨神経痛と鑑別が難しい例もあります。
ここから先は
実践!ゼロから学べるLowBackPain
本noteマガジンはベテランの腰痛治療のスペシャリスト(理学療法士)3名が腰痛に特化した機能解剖・評価・治療などを実践に生きる知識・技術と…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?