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知らない間に 「県の施設に電磁テロ攻撃」をしていた話 驚きの電波の発信源とは

毎年この時期になると,
思い出す事件があります。

十年ほど前の話です。
ある朝、自宅の2階で、
部屋の片付けをしながら、
窓から、ふと下の庭を見ると、
見慣れない男性2人が
魚の骨のようなアンテナを
持って、
自宅の庭に入り込んでいます。

ただならぬ雰囲気を感じて、
外に出て、問いただすと、
彼らは、電波調査の
委託会社員だと名乗ります。

「何の調査ですか」
とたずねると、
「この周辺から、
強い電波が出ている
事を突き止めた」と、
話します。

自分達は、ここから
500mほど離れた、
県の土木事務所から、
委託を受けて調査中で、、
決まって午前中の数時間、
土木事務所の防災無線に、
毎日、妨害電波が入り、
困っている。との事でした。

しかし、我が家には、
無線機や、そんな強力な
電波を出すものはありません。

何処か他の場所ではないかと
言いましたが、
指向性のアンテナで
調べると、どう見ても、
この範囲だと、いう事です。

その電波は、毎朝、
6~9時くらいの
決まった時間に
発信されていて、
夏は無く、冬の時期に
出ているそうです。

調べているが、電波が、
途中で止まってしまうので、
もう半年近く断続的に
調べているとの事でした。

電波は2秒間隔で点滅を
繰り返し出ているそうです。

調査員は、家の中を
調べさせてもらえないかと
言うので、僕も、
無実を証明したいので
ぜひ、お願いします、と
答えました。

作業員は、室内で、
アンテナを左右に振りながら、
どうも、2階が怪しいと、
話します。
2階にある3部屋を
順番に検索して
最後に、寝室が
怪しいと、話します。

居間とは違って
寝室にテレビなどはなく
書斎のように
パソコンも無いので
到底そんな所から
電波が出ているなんて
考えられません。
彼らは寝室に入ると
「電波が強い」
「2秒間隔で出ている」
と言いながら、
もう一度ぐるりと
周りを見渡します。

寝室にあるものは、
電灯の他には、
ベッドの横の「加湿器」
くらいです。
タンクの水が切れて、
赤く、水切れ警告ランプが
点灯しています。

調査員は加湿器の
点滅ランプを凝視して
「あれだ!」と叫びます。

妨害電波は、なんと
加湿器から出ていて、
電波の強弱が
警告等のランプの点滅と
一致したのです。

まさか、こんな小さな
加湿器が、500mも
離れた県の施設に
電波攻撃を
続けていたなんて。

だから
電波は冬しか出ない。
信号は点滅している。
水切れしている朝しか
電波が出ない。
8~9時頃には気付いて
止めるので、出なくなる。
すべての条件が
ぴったりと重なりました。
驚くべし調査員。
我が家の加湿器
恐るべし。

調査員は、今後は加湿器を
使わないでくれと頼んで
帰ります。

僕自身も、毎朝、目覚めに、
こんな間近で電波攻撃を
受けたいとも思いません。
健康上不安を感じます。

僕は早速、
某有名メーカーに
連絡を入れますが、
担当者は、
「弊社では電波が出ないように、
安全装置を
(おそらくコンデンサー)
入れているので、
そんなはずはない」と、
言い張ります。

そんなに言うなら現物を
送って欲しいと話すので、
それなら、と、早速、
送って調べてもらいました。

そして、10日後、
メーカー担当者から
直接電話があり、
最初の対応とは、
打って変わって
「確かにお客様がおっしゃる
通り、強い電波が出ていました。
機器の部品の不具合でした。
大変申し訳ありませんでした」
と、お詫びがありました。

同メーカーの加湿器が
別の部屋にも、もう1台、
あったので、一応
調査の為、送って、
1週間後には、代わりの
2台の新品が送られて
来ました。

知らないとは言え、
結果的に、
500mも離れた、
県の施設に、
遠隔電波攻撃を仕掛けて
いたという事実に
とても驚きました。

もちろん、県からの
お咎めも無く、
加湿器も新品になり、
めでたし、めでたしの
結末でした。

有名大手メーカーでも
こんな事があるのですから、
電気製品は、ただ安いからと、
某近隣国の製品を選ぶと、
リスクが大きいように
感じます。

読者の皆さんに、
良い事が
雪崩のように
起きますように。

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