インバウンドツーリズムの可能性①老舗焼き鳥屋での体験
来年、定年を機に起業して、海外と日本をつなぐビジネスをしていく予定ですが、インバウンドツーリズムの領域でも、自分の知見が役に立つのではないか?と思い、日々情報を取り、実生活の中で、その可能性を試していますので、これから、noteでこの領域の備忘録をつけていこうと思います。今回は、焼き鳥屋体験です。
英語情報が一切ない老舗焼き鳥屋とアメリカ人旅行者
飯田橋に僕が行きつけにしている老舗焼き鳥屋があります。50代のご主人と奥さんで営んでます。明らかに原価率の高い素材を使って、かつ、丁寧に下ごしらえして、備長炭でじっくり焼いて提供しているので、本当に美味しいです。やや高めですが、中高年が食べる量はたかが知れていますので、毎回、大満足で帰ります。
その店でカウンターで一人飲んでいた時に、20代のアメリカ人観光客四人が入ってきました。ご主人は、やや驚き、動きが止まりました。店の外にも、店内にも、一切、英語に関する情報はなく、ご夫婦も外国人観光客を客として想定していません。それでも彼らは、カウンターに4つ席空いているのを見て、「空いているので入れてほしい」とせがみました。僕は、ご夫婦の対応を見守っていましたが、店に入れました。
スマホは、飲食店のDXなのだ
ヒップホップスタイルのファッションに身をまもった四人、一人はヘッドフォンを耳にあてたままです。やや頑固なご主人が怒り出すのではないか?と心配してしまいましたが、いつもの調子で、焼き場に立って、集中してます。おかみさんが、日本語だけのメニューを渡していたので、僕はまた心配してしまい、彼らに声をかけ、英語で「メニュー選ぶのを手伝おうか?」と声をかけたら、即座に一人が答えました。「大丈夫。グーグル翻訳で全部対応できるからまったく問題ない。」
そうなんです。スマホの時代になって、飲食店の英語の問題は解決しているのです。僕は恥じました。彼らは、僕と変わりないような通なメニューを上手に選んで、お酒も日本酒のリストを見て、検索して僕が好きな銘柄を選んでいたので感心しました。
あとは、店の存在を伝え、受け入れの心構え
彼らが帰った後に、ご主人と話しました。最近、よく西洋人の観光客が来るようになったそうです。「今日のお客さんは、よくお金使ってくれたからいいけど、外国人観光客は、飲み物は水しか頼まなかったり、同じ部位の焼き鳥を10本頼んだり、オーダーの仕方がむちゃくちゃなんで実は苦手なんですよ」とご主人は言ってました。
その言い分はよくわかりますが、これから景気がますます悪くなるにつれて、この店のような、やや高めの焼き鳥屋は商売がきつくなってくるでしょう。そんな中、やはり外国人観光客は大変有望なお客さんになるはずです。
外国語のバリアがスマホで解決した今、あとは、日本にやってくる旅行客に自分の店を効果的に伝えるとともに、日本人の客と違うようなオーダー方法をする彼らに対してどう対処するか創意工夫をすることで大きな収益が見込めると思いました。まだ、この点に全力を挙げて努力をする飲食店が少ない中、大きなチャンスが生まれると思いました。
そういう気づきを飲食店に提供してアドバイスできる人がこれからきっと増えると思いました。