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三軒茶屋
最近調子どうよ
大学時代の先輩の口癖だった。「本当に僕の調子なんかに興味があるのだろうか」と最初は思ったけれど、何度も聞かれているうちに可笑しくなってきて、僕も真似して「調子どうよ」と後輩たちに尋ねてまわるようになった。今では会社の若い連中相手にもしょっちゅう聞いている。
こっちが適当なノリで聞いていることを知っているから、中にはテキトーに「絶好調です!」などと勢いで返すのもいる。そうすると僕は「え?ほんとに?何かいいことあったの?」と深追いをして「え?いや、特に・・・(笑)」みたいな流れになる。要するに内容の無いテキトーな会話ということだ。
職場のコミュニケーションはともすると最適化されて「業務上必要な会話以外は殆どない」という状態になることもある。
一方の僕はというと、わざわざ離れている席に座っている、しかも業務では全く関わりのない人間のところまで足を運んで「昨日激辛ぺヤング食べたらやばかったわ・・・」という話をする。
みんなお前みたいに暇人じゃないんだよ、と言われるかもしれないけれど、そう言われてしまったら返す言葉はない。実際たぶん僕は暇な方だから。残業とかほとんどしないし。
それでも一応は「中間管理職」というポジションにいる。会社の若い連中からしたら「あのオッサンは一体何者なのか」という不思議な存在なのだと思う。
会社の若い子たちを見ていると、時々なんとなく「息苦しそうだな」と感じる。「僕みたいにテキトーでいいんだよ、だからそこまで張り詰めなくていいんだよ。」と言葉にして伝えてもいいのだけど、なんか大袈裟なような気もするので、基本的には日頃の態度で示すようにしている。テキトーの模範だ。
でもまあ、みんながみんな僕みたいにテキトーになっちゃったら会社は機能しなくなるんだろうな。