In Times New Roman...
今回はストーナーロックの雄であるQueen of the Stone Ageの最新作であるIn Times New Roman... についてである。最初に、前作みたいなジャケが好きだったので今作は少し残念。
そもそもストーナーロックとはハード・ロックやのサブジャンルで、サイケデリック・ロック、ドゥーム・メタル、ブラック・サバスのような初期のヘヴィ・メタルからの影響が多い。草分け的な存在にブルー・チアやキャプテン・ビヨンド、カイアスがいるらしい。スラングとしてstoner(麻薬をやっている人)があるからそれだろう。健康優良児である自分には関係のない話だ。個人的に好きなストーナーロックのバンドがこのQOTSAとEagles of Death Metalだったが、Eagles of Death Metalもジョシュ・オムがギタリストとして参加しているらしい。しかもこのジョシュ・オム、アクモンのHumbugのプロデューサーもやっているらしい。自分はジョシュ・オムの手のひらの上だったのか、、
Queen of the Stone Age(以下QOTSA)についてだが、基本的にはジョシュ・オムについてとなる。ジョシュ・オムはカイアスの解散後にQOTSAを結成して現在までに8枚のフルアルバムを出している。個人的にはやっぱりデイブグロールの参加している2002年のSongs For The Deafを推したい。デイブグロール特有の跳ねるようなスネアの音が聞こえてくるだけで酒が飲める。
ジョシュ・オムはQOTSA以外の活動として2009年にデイブグロール、ジョンポールジョンズとThem Crooked Vulturesを結成している。個人的に大好きなバンドなので一刻も早く再結成してほしい(led zeppelinとかあの世代の人たちがライブができるのもそろそろだと思う)。
それぞれの曲の感想
1曲目からQOTSA特有の激しく歪んだギターリフから始まる。こんな感じの歪んだギターリフに対してコードに沿ったあまり歪んでない音のベースの感じが最高に好き。
2曲目はアルバムの中でも特に音作りにこだわっている曲だと感じる。そもそもQOTSAは歪みに対してこだわりが世界一こだわっているバンドだと思っている。そのこだわりが出ているのがこの曲の1:16秒あたりの左から聞こえてくる音とかである。ここだけすでに音数多いのにさらに増やすためにオクターバーで下の音入れている。
ちなみにQOTSAのYoutubeのひいてみた動画は9割以上が音の再現のレベルが低い。自分が聞いた中で唯一満足いく音作りになっているのはこの動画である。再生回数が100回程度なのは何かのバグじゃないかってぐらい音作りが上手い。余談だがこの投稿者は他のひいてみたにポルカだったりゆら帝だったり日本のバンドが多い。
3曲目はベースの音作りが個人的には少し残念に感じている。ベースは歪みを深くしすぎると音がぼやけて他の楽器に埋もれてしまう。この曲ではそれをギターが鳴っていないところでフィル的に入れることで解決している。まあ、ベースなってなくてもカッコよければいいという考えならその考えもあるのだろう。たとえば、クリフバートンがいない時期のメタリカなども音源分離をしてベースのトラックを確認したら無音だったという話もあるし。Bメロのギターの泣きメロは好き。
4曲目もベンドを含めたBメロがQOTSAっぽさが出てていい味を出している。
5曲目はダウンテンポで重いリフもの。この曲は左の音はワーミーを使っているギター。トムモレロみたいにワーミー使う人増えてほしいよね。
この曲あたりからボーカルにfranz ferdinandみを感じる。特にAメロ。まあ、リフの感じとかどうしてもガレージロックリバイバルと似てるし、親和性があるのだろう。
ラスサビにギター三本になっておりどうしても右の音像から聞こえるギターと左の音像のギターの音作りの違いからノイズに聞こえがちになる。
6曲目に入り始めてシンセの音。この曲はベースの音作りに関して歪みと原音を混ぜてからモジュレーションをかけてるから音がはっきり聞こえる。
ボーカルメロは好きだが正直ストリングスは不必要ではと感じる。
7曲目は個人的にめっちゃ好きな曲。ベースがはっきり歪んでいるとわかるのにギターやらボーカルやらさまざまな音が入ってもクッキリとした音像を保っている。自分がお手本にする感じの好きなベースの音作りである。ベースリフから始まるがその後音の合間を縫うような違うギターリフが始まる。
8曲目は所謂リフ一発もの。リフのメロディと同じメロディのボーカルも入ってくる。この曲はギターが入る時の音がいい。おそらく、この曲、途中で二種類のドラムを弾いてる。ライブでやるつもりないだろ。
9曲目は歪みを少なくしたらFranz Ferdinandと見分けがつかなくなるぐらい似ている。ベースがリフとコード間の肝を担っていてそれにギター2台が別々の音色で効果音的にフィルを入れている感じ。
10曲目はスローテンポな歌ものである。ドラムの音を止ませてストリングとボーカルの音だけにする場面。何度かこんな感じの場面に遭遇した気がする。あんまり作り方的に好きではない。5分あたりのギターが弾いてて楽しそう。
全体を通して、QOTSAの特徴としては
・途中途中で入る効果音的なギター音がかっこいい
・ギターの歪みがかっこいい
という評論にあるまじき結論になる。ただ、かっこいいから仕方ない。
今年聞いた新譜アルバムを下のプレイリストに追加している。
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