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警戒心と信用はコインの裏表。相手に利用されないために信用という思考放棄を簡単にしない!【忍者の技と知恵 #322】

信用というのは曖昧なものです。信用を得るためには相手が何を警戒しているのか?心配しているのか?を理解して、その心配を解く必要があります。心配が解ければ信用を得ることができます。

忍者は陽忍(変装し職業を偽り姿を表して活動する忍者)として敵に近づくとき、もし敵に怪しまれるなら「仮女仮子の術」を使います。これは偽の妻子を用意して敵に近づき、仮女仮子を人質として差し出して警戒心を解く計略です。

戦国・江戸時代において妻子を人質として主君に差し出すことは当たり前に行われていました。人質を差し出すということで信頼を確認していたわけですが、これは信頼を表現するために人質を差し出していたとも言えます。人質を出すのだからこの人は絶対服従するだろうという相手の思考につけ込み、警戒心をすり抜けて信用の隙をつくのが忍者の作戦です。

逆に、うっかり信用したら相手に利用されて骨折り損ということもあります。なぜこうなるかといえば、警戒が解けたから大丈夫=信用する。というコインの裏表の感覚で判断してしまうからです。警戒対象がなくなっても、信用はしない。思考放棄をせず、相手の言動に対してその都度評価を繰り返すことが安全対策になります。

偽の妻子を用意して敵の信用を得る。


【忍者の技と知恵】は毎週 月・水・金曜 朝8時ごろ更新!『図解 万川集海』を元に、忍者の技と知恵をお届けします。

万川集海とは
『万川集海(ばんせんしゅうかい/まんせんしゅうかい)』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。


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