魔法の世界に入っていける。カードキャプターさくら展
カードキャプターさくら展 -魔法にかけられた美術館-
(森アーツセンターギャラリー)
<展示内容>
・はじまりの書庫
・花(フラワー)の部屋
・包囲(シージュ)された知世のアトリエ
・迷(メイズ)な原画ゾーン
・記録(レコード)の部屋
・大(ビック)なケロちゃん
・カードの間
引き込まれる体験型の展示
魔法にかけられた美術館という名の通り、展示の仕方がさくらちゃんの魔法を使った展示になっています。作品の世界に入り込むことができ、見るではなく楽しむ展示になっています。
花の部屋では、作中に登場する花のイラストの展示、花言葉の解説とともに、来館者が花のシールを空間一面に自由に貼ることができ、展示を一緒に作る=この空間に魔法をかけている。感覚になれて楽しい気持ちになれます。
作品との距離感を詰めるリアルさのある展示
包囲された知世のアトリエでは、さくらちゃんが作中で着ていた衣装の実物(原寸大で作成したもの)が展示されており、紙や映像の世界の中だけだったものをリアルで感じることができます。衣装のサイズ感、デザイン性をリアルで見ることができ、作品世界と現実世界が重なったような感覚になれます。
CCさくらの魅力は憧れと共感
迷な原画ゾーンで見た作品の原画は、繊細な線で描かれたキャラクターや花、コマ割りが漫画ではなく一枚絵に見える、CCさくらならではの漫画表現を観ることができます。また、テーマ分けされた展示作品は、ストーリーやセリフも楽しむことができます。
CCさくらの魅力について考えてみますと、絵から伝わってくる作品の優しさや美しさ、可愛らしさへの憧れ+作品の持つ優しいストーリー、様々な好きという気持ちの表現による共感。が多くの人に愛される作品となるのではないでしょうか?
大きなケロちゃんとの記念写真
大なケロちゃんは、本当に大きなケロちゃんを観ることができます(笑)
魔法を使ったようなサイズを感じることができ、本当にさくらちゃんの世界に入っているようになれます。また、ケロちゃんと一緒に写真を取れるという記念(体験)はファンにとって嬉しいものでしょう。
漫画の世界のアイテムをリアルに感じる
最後にカードの間では、作品内の魔法カードが展示されています。漫画の中でも重要とされるアイテムをリアルに見ることができるのは、魔法が現実にあるかのような気持ちになれます。プロダクトデザインをしている僕としては、道具のようなものを見ると特にワクワクします(笑)
アトラクション型展示「魔法“に”かけられた美術館」
カードキャプターさくら展は、漫画という作品のアート性に触れるだけでなく、全体を通してさくらちゃんの世界の中に入っていく、もしくは漫画の世界と現実の世界が一緒になったような感覚になれるアトラクションのように思いました。
作品の良さを展示という形で見て楽しむのではなく、体験して楽しむ。通常の美術展とは違った、新たな展示体験を知ることができました。見るものではなく、体験するものにできたのは、CCさくらの魔法という世界感があったからかもしれませんね。
よく考えてみたら、展示サブタイトルが「魔法“を”かけられた美術館」ではなく「魔法“に”かけられた美術館」だったのは体験型展示だからかもしれません。