ハコムス2ndコンサート
ハコイリ♡ムスメは2019年の7月で結成5周年を迎えた。その節目のタイミングで、去年に続いてのホールでのコンサートが開催された。今回は既に卒業した伝説の1期メンバーから内山珠希、門前亜里、神岡実希、鉄戸美桜の4人、3期から星里奈さんがゲスト出演。過去卒業した人がすべて出るわけではないけれど、1期メンバーがこれだけ揃うとオールスター感がすごい。そして実際すごかった。
コンサートはとても素晴らしく、体感として一瞬で終わってしまった感じだった。夏の夜の夢。よくアイドルが最後に言う、楽しい時間はあっという間で、という言葉通りにあっという間だった。
歌われた曲はどれも素晴らしくて、でも、あの曲もこの曲も歌っていない、と思ってしまうのは、ハコムスの長い歴史の結果だろう。5年は長い。
その結成当初から在籍し、9月に卒業することが決まっている最後の1期メンバー我妻桃実さんを見ていると、本当に時の流れを実感する。
今でこそ、なんとなく関係性が築けている気もするぽにょさんだけど、初期の頃はどう接していいかわからずディスコミュニケーション状態だった(小松もかさんもそうだったけど、こまっちゃんはディスコミュニケーションをコミュニケーションするといった感じで楽しかった)。断絶されたところから、Berryz工房のことを話したり、笑顔の写真を撮れるようになるまでそこそこ時間がかかった。
新人公演で泣いていた女の子が、歌もダンスもトークも、そして腕力も強くなって、今輝いているというのは素晴らしい成長物語であって、その時間を共有出来ているのは尊い。こんなに頼もしい人はそうそういない。力強さの中に乙女心もあって、誰もが好きになるきっかけをたくさん持っているのが彼女のすごいところだと思う。
私が好きなぽにょの仕草のひとつが、『微笑みと春のワンピース』2番サビ終わりの「ときめきと春のワンピース」で両の踵をちょこんと浮き上がらせて気持ちが弾んでいることを表現するシーンなのだが、このコンサートでももちろん踵を浮かせていて、ぽにょの可愛さが弾けていた。
俯瞰で見たコンサートはダンスが揃っていて、沖縄で合宿した成果が出ていたように思う。ハコムスが目指している癒しと安らぎの世界がそこにあった。
そして予想以上に1期メンバーの貫禄がすごく、圧倒された。現役メンバーと星さんの存在が霞んでさえいた。それはまあ、私が1期大好きということもあるけれど。
相手を尊重しつつもそれぞれの個性が気持ち良いぐらい真正面からぶつかり合って、その火花が夏の花火のように大輪となって咲く様が本当に美しいことを、今更になって1期のステージを見ながら思った。客席にいるだけなのに笑いを取れる小松もかさんのこまっちゃんらしさも健在で頼もしかった。何もかも懐かしく愛おしい。
最後に出演者全員で歌った『旅をつなげて』が、今のハコムスの良さのすべてを表わしていて素晴らしかった。
本当に良いグループだと思う。関わったすべての人の想いが積み重なって凝縮され、今のハコムスがある。ぽにょはもうすぐここから去るけれど、ぽにょが残したものはハコムスの中で受け継がれていく。この継承のプロセス自体が、そもそものハコムスの過去のアイドルをリスペクトする姿勢として初めから中心にあったものだ。それは今後も変わらないと信じている。
素晴らしいコンサートだった。いつだって優しく迎えてくれるこの場所が大好きだ。ありがとうございました。