「没後10年 古田足日のぼうけん」展に行く
児童文学作家である、故・古田足日氏の展示会へ行く。代表作は、『おしいれのぼうけん』『ロボットカミィ』『ぬすまれた町』『宿題ひきうけ株式会社』『大きい1年生と小さな2年生』。幼少時は作者を意識せず読んだのだが、素晴らしい作品を残していると共に、氏の「児童文学」への姿勢と考え方が良い。
神奈川近代文学館の展示は、試行錯誤も感じられるが、『おしいれのぼうけん』制作時の幼稚園でのテストのやりとりの実物が見られたのが良かった。解説や一部展示は「全集」や「追悼本」に沿っているのかな?いずれにせよ、やる意義がある展示だったと思う。9月29日(日)まで。
https://www.kanabun.or.jp/exhibition/20459/
そういえば、展示だと『ともだちいっぱいぐみのきようちえん(福武書店、1993年)』はパネルに記載されているだけであった。全集に入らなかったのは時期的な問題もあるだろうが、作者的には、どういう位置づけだったのだろうか。単行本化もされているが、絵も、採用されているエピソードも、当初の連載の方が明らかに、子供の心を動かすものだったと思う。削除されたエピソードが動物虐待としてクレームがきたのではと疑ってしまう。本作を記憶する担当はもういないかもしれないが、ベネッセは一考をお願いしたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?