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協生農法という未来の農法について調べてみた

昨年末にTBSの「報道特集」をみて、協生農法を初めて知りました。

協生農法は農薬も肥料も使わず、一つの畑で様々な作物を作るという農法で非常に未来を感じます。
今までもプランターなどで野菜をちょっと育てたことはありますが、面倒を見切れずほぼ放置状態。。。
そんな、僕のようなものぐさには夢のような農法と言えます。

早速、どのように始めたらいいのかを調べたところ、WEB上で、ソニーコンピュータサイエンス研究所によるマニュアルが公開されていました。

>>協生農法実践マニュアル2016年度版

読んでみたところ、こちらの資料は研究資料という感じでちょっとわかりにくく感じました。
他にも色々と探してみたところ、下記のマイナビ農業の記事がわかりやすく、参考になりました。

上記の2つを参考に、個人的に気になったことを備忘録的にまとめてみたいと思います。

協生農法と他の農法との違いとは?

従来の農法ですが、大まかにまとめると下記の農法があります。

  • 慣行農法

    • 農薬・化学肥料・除草剤などを使用。

    • 除草・追肥などを行い、人が生育を管理。

  • 有機農法

    • 農薬・化学肥料・除草剤などを使用しない。

    • 除草・追肥などを行い、人が生育を管理。(ただし化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない)

  • 自然農法

    • 農薬・化学肥料・除草剤などを使用しない。

    • なるべく自然に任せる。

慣行農法は古くより行われている農法を指し、農薬や化学肥料を使い、人が積極的に世話をすることで、収穫の安定化・最大化を目指す農法です。
それに対し、有機農法は化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないことで、環境負荷を下げることを目指した農法です。
有機農法については、下記の農林水産省のページに詳しく情報が掲載されています。

それらに対して自然農法は、農薬や化学肥料を使わず、極力人の手を入れずに行う農法です。

協生農法は、この自然農法に近い考え方の農法になります。

自然農法と協生農法の違い

協生農法の特徴として、協生農法実践マニュアル2016年度版の「協生農法の定義」に下記の様に書かれています。

1-1. 協生農法の定義
協生農法とは、無耕起、無施肥、無農薬、種と苗以外一切持ち込まないという制約条件の中で、植物の特性を活かして生態系を構築・制御し、生態学的最適化状態(生態最適)の有用植物を生産する露地作物栽培法

協生農法実践マニュアル2016年度版より引用

協生農法は自然農法と同様に農薬や化学肥料を使いません。
自然農法との大きな違いは、協生農法は農作物の育成に関して、積極的に手を加えることに有ります。
とはいえ、慣行農法のように除草や追肥などの世話をして作物の育成をコントロールするのではありません。
協生農法の最大の特徴は、農作物が育成するための環境を人為的に作り出していくことにあります。

生態学的最適化状態を作り出す

協生農法実践マニュアルの先の引用部分にあるように、協生農法では「生態学的最適化状態」を作り出すことが必要です。
これは、いわば「植物が放っておいても育つことができる環境」です。
そのため、水を撒いたり肥料を与えたりせずとも植物が育成できる環境が必要になります。

例えば、人の手が入っていない原生林では、落ち葉や昆虫の死骸などを栄養として植物は生長します。それは、複数の動植物が互いに影響を与えあうことで「生態学的最適化状態」を作り出しているからです。
そのため、原生林では肥料を与えたり雑草を取るなどの人による手助け必要ありません。
協生農法では、まずこのような環境作りが必要になります。
そして、このような環境の中に人が必要とする農作物を組み込むことで、農作物が人の手を加えずとも生長していくことができるようになります。

とはいえ、農作物を原生林的な環境に組み込んでも、思ったように育成するとは限りません。
原生林では、お互いに良い影響を与えあうことができる植物のみが生存できるように、長い時間をかけて環境が整えられていきます。
そのような環境に野菜を植えても生長するとは限りません。
例えば、背の高い植物が群生しているような環境に、日光を多く必要とする野菜を植えると、当然ながら日光不足で思うような生長をしないことが多いと思います。
協生農法では、「生態学的最適化状態」を崩すことなく人が必要とする農作物が育つように環境を整えていく必要があります。
そして、究極的には必要な農作物が育成できるための「生態学的最適化状態」を、人為的にデザインすることで、一度環境ができてしまえばそれ以降は最低限の手間をかけるだけで、農作物が育成できるようになるわけです。

時間が掛かるがやってみたい

協生農法では「生態学的最適化状態」を作り出す必要があるので、すぐに目的の農作物を収穫できるわけではありません。
下記の図のように、環境を作り始めてから、徐々に協生農法を行う事ができる環境が整えて行く必要があります。

図:協生農法による生態系構築の時間発展と、農法の成立局面の関係
協生農法実践マニュアル2016年度版より引用

上記図の「シグモイド生長曲面」の期間は、作りたい農作物が自然と生長できる環境になるように管理をおこなっていきます。
そして、環境が整い「飽和曲面」に入ると、最低限の手入れだけで農作物を生産することができるようになるわけです。

環境ができあがるまでは手がかかりますし、様々な工夫が必要だと思います。
しかし、一度環境ができてしまえばあとは最低限の手間だけで農作物が育つという夢のような農法です。

完成までには時間が掛かると思いますが、まずは環境作りから始めてみたいと思います。

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